【イベントレポート】ローカルビジネスに取り組むプレイヤーが宇治に集結!地域課題解決の未来を考える「Uji Local Venture Meet-UP」
イベントレポート

【イベントレポート】ローカルビジネスに取り組むプレイヤーが宇治に集結!地域課題解決の未来を考える「Uji Local Venture Meet-UP」

2024-03-28
#インキュベーション #イベントレポ #ローカル

宇治NEXT(宇治市・宇治商工会議所)と本メディア運営の㈱talikiが開催する、ローカルビジネスで地域の未来を考える『Uji Local Venture Meet-UP』が2024年年3月2日(土)に行われました。

当日ご来場いただいたのは、起業家をはじめ起業関心層から支援者までのおよそ40名の方々。そのうち半数は10~30代の若手世代が集まるという、地域イベントとしてはめずらしい事例になりました。

「ローカルビジネスに取り組みたいけれど、どう事業化したらいいか分からない」

「地域にどのように入り込めばいいのだろう」

そんな方へ向けた本イベントでは、地域課題解決の最前線で取り組まれている豪華ゲストをお招きし、ローカルビジネスを前進させるためのヒントをご共有いただきました。

本記事では、トークセッションやプレゼンタイム、交流会、地域課題解決のブランド開発について学ぶワークショップなど、大盛況のうちに終了したイベント当日の様子をお伝えします。

 

現場視点を持つ5人が語った、地域ビジネスを前進させるためのカギ

資金調達の手法や地域で事業展開をする際に立ちはだかった壁、まわりの人の巻き込み方などが赤裸々に語られた2つのトークセッション。現状から具体的な一歩を踏み出すにはどうしたらいいのか、参加者の皆様と一緒に考えます。

トークセッション①

 

まず、トークセッション①「地域課題解決の資金調達とは?事業領域や規模に適した資金調達の手法を学ぶ」に登壇したのは、京都信用金庫 企業成長推進部 課長 満島孝文氏と株式会社RE-SOCIAL代表取締役 笠井大輝氏の2名。会場では、リアルタイムでコメントを送信できる「Slido」を使って、参加者のコメントを投影しながらトークセッションを進めました。

各社の事業紹介の後に、笠井氏から株式会社RE-SOCIALのこれまでの事業構築プロセスや各事業フェーズに合った資金調達の方法について語られました。

株式会社RE-SOCIAL代表取締役 笠井大輝氏

 

株式会社RE-SOCIALは、「生態系サービスに最大限の価値創造を追求し、地域社会から世界へイノベーションをもたらす」という企業理念を掲げ、様々な視点や用途からジビエ肉である鹿肉の流通を図っています。京都府南部の笠置町に拠点を置くことになった経緯や、地域で事業活動する際に苦労したこと、資金調達のタイミングまで、笠井氏のリアルな体験談に参加者の関心が集まります。

笠井氏の話を受けて、満島氏からはコミュニティ・バンク京信の取り組みについての説明や、笠井氏が融資相談をするため京都信用金庫を訪れた際のエピソードが語られました。

株式会社RE-SOCIALの創業当時の融資面談を担当されたという満島氏。京都信用金庫として、笠井氏の地域との関係性づくりをフォローされたそうです。おふたりの深い関係性も垣間見え、昔話を語るような温かい雰囲気でトークセッションが進みました。

京都信用金庫 企業成長推進部 課長 満島孝文氏

 

会場から届いた「起業前に準備したことを教えてほしい」との質問に対し、笠井氏から地域の人とのコミュニケーションの方法や融資を受けるために準備する事業計画表についてふれる場面も。満島氏からは、事業者に対してどのような視点で融資をしているかについても語られました。

また、会場ではグラフィックレコーディングも行われ、トークセッションで話されたトピックを簡潔にまとめていただきました!

森崎 恭平(Jack)さんによるグラフィックレコーディング

 

トークセッション②

 

続いて、トークセッション②「地域で事業をする際におけるハードルの乗り越え方とは?地域の未来を世代や立場を超えて共に考えていくには」に登壇したのは、株式会社Craft Bank CFO 庄田健助氏、 HONESTIES株式会社 代表取締役 西出喜代彦氏、SEKAI HOTEL株式会社 事業責任者 小林昂太氏の3名。

地方創生の最前線で活躍する3名から、自身の経験を交えながら、地域の人を巻き込むビジネスづくりや事業をスケールさせるために必要な考え方などがシェアされました。

 

京都府福知山市にて地元の食材を活かしたクラフトビールを販売する株式会社Craft Bankの庄田氏は、「“なぜこの地域を選んだのか”、その想いが明確に言語化されていないと事業を含めたすべてがブレてしまう」と語ります。

株式会社Craft Bank CFO 庄田健助氏

 

ローカルビジネスを展開する際の核となる部分については、裏表も前後もないスマートウェアを展開するHONESTIES株式会社の西出氏から、「地域が抱える課題・サービス・自分がやりたいことの3つがWIN-WIN-WINになる部分を見つけることが最大のポイント」という意見も。

HONESTIES株式会社代表 西出喜代彦 氏

 

セッション中盤では、モデレーターから「地域の人々の共感を生み出すには?」といった問いが投げかけられます。この問いに対し、地域のモノ・コト・ヒトを巻き込みながら、まち全体を一つのホテルに見立てた宿泊施設を展開するSEKAI HOTEL株式会社の小林氏からは、「最初から言葉だけで共感を得るのは難しい。目に見える結果を出してこそようやく自分たちの熱量やサービスの価値を実感してもらえるため、まずは実績を上げることが大切」と、実体験をもとにしたアドバイスをいただきました。

SEKAI HOTEL株式会社 事業責任者 小林昂太氏

 

会場の参加者からは「地域もステークホルダーとして捉えているのが素敵」「地域でビジネスをするには周りの応援が必要不可欠。視座を上げて、“地域全体で”より良いものをつくる意識を持つことが大切ですね」といった声が届きました。

トークセッション2 グラレコ

活動紹介プレゼン

トークセッションの後は、地域課題解決に取り組む3名による、それぞれの活動についてのプレゼンテーションが行われました。

写真① 森崎 恭平(Jack)さん

 

写真② 河井ファーム 河井孝光さん

 

写真③ 学生団体GUTS 池本光輝さん

参加者同士の交流も白熱。アットホームな雰囲気で

ワークショップ・交流会

ワークショップの様子

 

セッション終了後には「地域に根差したサステナブルブランド開発WS」と題し、博報堂DYホールディングス傘下の総合広告会社、株式会社 大広様によるワークショップを開催しました。

今回は「宇治茶」をテーマに、実践型の個人ワークを実施。地域資産の棚卸しや事業アイディア構想など、サステナブルな事業やブランドづくりのヒントが得られる時間になったのではないでしょうか。

当日のワークショップ資料

 

また、ゲストの皆様にもご参加いただき、イベント参加者同士が気軽に参加できる交流会も開催しました。終始アットホームな雰囲気のなか交流が続き、運営スタッフが入る隙がないほどの盛り上がりでした。

 

まとめ

参加者の方からいただいたご感想を一部ご紹介いたします。

※参加者アンケートより一部抜粋

各地域の中で大変活躍している方のお話を聞くことができて、刺激になりました。

人の魅力が伝わるイベントだったと思います。「地域」という枠組みに関心がある人たちの集まりはおもしろいと思いました。

資金調達のこと、地域での仕事のスタートアップの実例が聞けてよかったです。

前進するための参考になり、力になりました。

 

今回のイベントはトークセッションに交流会、ワークショップなど参加者同士が幅広く交流できる濃密な場となりました。事例を交えた資金調達の手法や、実際に地域事業に携わる方の知見の共有、支援機関との付き合い方など、多様なプレイヤーから得た視点は、これから起業を目指している方や、すでに地域課題解決に取り組まれている方にとって大きな学びとなったのではないでしょうか。

宇治NEXT(宇治市・宇治商工会議所)・talikiは、社会課題解決や地域課題解決に取り組む方を応援しております。起業に関するイベントは今後も行っていく予定ですので、ぜひご参加いただき一緒に盛り上げていただけますと幸いです!

イベントページ:https://uji-lvm.peatix.com/view

 


執筆

おのまり

ライター・編集者。人の独特な感性を知るのが好き。趣味は美術館めぐり、ガラス陶器屋さんめぐり。

 

カメラマン:寺嶋諒

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