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起業家の役割は、社会問題を早く世の中からなくすこと。フードロスの原因解決へ【後編】

大学時代からフードロスの問題に取り組み、サプライチェーンの仕組みを変えるべく挑戦を続ける金子隆耶。後編では、「気づいた者には気づいたなりの責任がある」と、満を持してフードロスの原因解決に踏み切った経緯、新事業に込める思いを聞いた。

【プロフィール】金子隆耶(かねこ りゅうや)
株式会社テオーリアにて社内設置型ヘルシースナックスタンド「snaccuru(スナックル)」の事業責任者を務める傍ら、株式会社フードロスホールディングスの代表を務め、新規事業にも力を入れる。大学時代に農業を経験したことをきっかけに、フードロスの問題をビジネスで解決するために活動を続けている。

前編はこちら。 起業家の役割は、社会問題を早く世の中からなくすこと。フードロスの原因解決へ【前編】

飲食店のゴミ箱から、フードロスのデータを溜める

―現在新規事業として取り組んでいる、飲食店向けのゴミ箱について教えてください。

ゴミ箱の仕様開発は、フードロスの原因解決の方法として取り組んでいます。フードロスの問題に取り組むにあたり、それがどれだけ出ていて、どんな場所から発生しているのかということを把握しなければ、最適なアプローチは生み出せないと思っているんですよね。
昨年の農林水産省のデータでは、年間約612万トン*のフードロスが出ていて、その約5割が飲食店やメーカーから出されたものだと言われています。でも、この数字はあくまで推定でしかなくて、ある算出方法に従って出されたものにすぎないんですよね。実際の数字は誰もわからない。そこで、よりリアルな数字を把握する必要があると思って、僕らが手段として選んだのは飲食店のゴミ箱だったわけです。

今のゴミ箱って、単純にゴミを捨てているだけなんですよ。ゴミがどれだけ増えているのか、そのうちどれだけが食材の廃棄なのか、飲食店自体もわかっていない状況です。そこで、ゴミに対する意識を変えながら、オペレーションコストをかけずに済む方法として、僕らはAIによる画像認識を使ったゴミ箱を作っているところです。どんなゴミがどれだけ出ているのかをデータとして蓄積することで、飲食店のメニューと組み合わせながらフードロスの原因を分析していきたいと考えています。

*出典:2020年4月 農林水産省「食品ロス量(平成29年度推計値)の公表について」

 

―原因解決に取り組むとなると、どうしてもお金になりにくいという点があるように思います。マネタイズはどのように行っているのでしょうか?

たしかに、ここでめちゃくちゃ儲けるというのは難しいです。この事業に取り組むにあたって、資金調達を行っているのも、それが理由ですね。
マネタイズに関して僕たちが考えていることは2つあって、1つは飲食店に対してゴミ箱を販売あるいはリースという形で契約するということ。もう1つは、ゴミの回収事業の管理会社として、各飲食店に対してゴミの回収業者を派遣してお金をもらうということです。飲食店のゴミにおいて、入口と出口を抑えるイメージですね。

今は、実際のゴミ箱をどんな形にするのか仕様開発を行っている段階です。まず6店舗で実験することになっていて、今後は年間1,000店舗に広げることを目標にしています。

今後、僕らが集めるデータが価値になっていきます。データを溜めるところまでたどり着けるように、それまでは売上を立てられるところで立てていきたいです。今は、先々のビジョンや僕たちが成し遂げたいことに共感してもらってお金を調達しています。
これからどんな関係者と組むのか、共犯者とも言える仲間をどうやって集めるのかを日々考えているところです。

気づいた者の責任として、原因解決を担う

―フードロスの原因を追求しようと考えたのは何かきっかけがあったのでしょうか?

何かこれというきっかけがあったというよりは、フードロスの問題に長く取り組む中でずっと思ってきたことです。
社会問題にビジネスとして取り組んでいると、「社会問題がなくなるときは、会社が潰れるときだ」ってよく言いますよね。本当にその通りだと思っていて、それまで一生やり続けるだけなんですよ。snaccuru(スナックル)のサービスもずっとやり続けることはできるんですが、発生抑制に留まっている以上、サービスを通じて世の中のフードロスをゼロにすることは不可能なんです。

それなら、適切なアプローチとソリューションで、ちゃんとフードロスをなくす方法を考えるべきだなと思っていて。そこまで踏み込んでいかないと結局意味がないとも思うんですよね。以前から、原因解決をやった方がいいとは思っていたんですが、なかなかソリューションが出てこなかったところもあったので、今はアイデアを伴ったタイミングとして原因解決にリソースを割くべきだと思っていますね。

 

―金子さんが、一貫して「フードロス」というテーマで挑戦し続けられるのはなぜでしょうか?

一つは、自分のエゴとかプライドになっているところはあるかもしれません。ここで逃げたらダサいよなって(笑)。以前は他社で営業をやっていて、結構成績はよかったんですよね。営業なら負けないと思っていたぐらいだったので。そんなに儲ける力があるのに、なんで金にならないことばっかりやるんだって言われ続けてきたので、意固地になっているところはあるかもしれません。

それが原動力になっているのは、気づいた者には気づいたなりの責任があると思っているから。大学時代からフードロスの問題に気づいていた立場としては、多くの人が問題を認識していてもフードロスがなくならないのは、行動に移せる人が少ないからだと思っています。足や手を動かせる人がいないということ。

そこで起業家がやるべきことは、フードロスが仮に30年後になくなるとしたら、その期間を25年や20年というふうに縮めていくことだと思っています。僕1人で解決できなかったとしても、他のプレイヤーもいる中で何か一助になればいいなと思っています。

 

―今後、金子さんがフードロスの問題に対して中長期的に取り組んでいきたいことを教えてください。

3年後、5年後となると、現在取り組んでいる飲食店向けゴミ箱の事業で成果と成功を残さなければならないと感じています。フードロスはすでにメディアでもかなり取り上げられていて、いろんな人が取り組んでいるんですが、本質的な改善を事業としてやる意味や価値をロールモデルとしてちゃんと作っていきたいです。「こういう形で根本解決していくことが大事なんだ」というところを、一つのアプローチとして世の中に発信していきたいですね。

 

 

interviewer
河嶋可歩

インドネシアを愛する大学生。子ども全般無償の愛が湧きます。人生ポジティバーなので毎日何かしら幸せ。


writer
田坂日菜子

島根を愛する大学生。幼い頃から書くことと読むことが好き。最近のマイテーマは愛されるコミュニティづくりです。

 

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