TABETE拡大に向け営業強化。食品ロス削減のパイオニアを目指して

食品ロス削減のためのマッチングプラットフォーム『TABETE』を運営する株式会社コークッキング。2018年のリリースから順調に成長し、現在はスケールフェーズを迎えようとしている。いち早く全国でTABETEを使えるようにするため、営業人材の採用強化に取り組んでいる。事業責任者の篠田沙織とセールス責任者の池本友馬に、TABETEに携わるやりがいや、社内でのコミュニケーション、求める人物像などについて伺った。 

※情報開示:コークッキングはtalikiファンドの出資先企業です。

【プロフィール】

篠田 沙織(しのだ さおり)

小学校2年生で白血病になり、食事制限を受けた経験から、食の重要性を身をもって実感。そこから人生を「食」に捧げると決意。新卒で大手グルメサイトに入社後、飲食店営業並びにwebディレクターを経験。ビジネス側とプロダクト側の両面からサービスの運営を経験する。その後、コークッキングにジョインし、取締役COOに就任。現在はTABETEの心臓として、営業企画からマーケティングまで幅広く活躍している。

 

池本 友馬(いけもと ゆうま)

TABETEセールス責任者。大手人材系企業で営業・営業企画に7年従事したのち、2022年2月にコークッキングにジョイン。TABETEの法人クライアント獲得に尽力中。

店舗数拡大に向け営業強化

ーまず、TABETEの事業概要を教えてください。

篠田沙織(以下、篠田):TABETEは国内最大級の食品ロス削減サービスです。2018年4月にリリースして現在5年目となります。お店で売れ残ってしまったパンや洋菓子、お料理を近くのユーザーの方にレスキュー(購入)していただく、マッチングプラットフォームを運営しています。主にパン屋さんや洋菓子屋さんなどの中食*企業を中心にご活用いただいており、最近はホテルさんに導入していただくことも増えてきていて、少しずつ食品ロスに取り組む業態が広がっています。

数字面では前回の代表へのインタビューからさらに成長して、現在はユーザー数が約51万人、店舗数が2121店舗、累計レスキュー数が35万食となりました。

*中食…お惣菜やお弁当、持ち帰りのお寿司など家庭以外で調理された食品を家で食べること。ここではそのような食品を販売するお店を指す。

 

ー現在の事業課題や、それを解決するための戦略を教えてください。

篠田:TABETEに登録してくださっているユーザーさんが51万人なのに対して、店舗数が2121店舗なので、圧倒的に店舗数が足りない状態です。今後TABETEを日本全国に広げていき、少なくとも都市圏においてはどこでも使える状態にしたいので、店舗数が足りていないのが現状1番の課題となっています。解決のための戦略として法人への営業活動が肝になります。私たちのサービスと非常に相性が良いと考えているのが、閉店間際まで商品を陳列しておかなければならない中食業態や、どうしても食品ロスが発生してしまうビュッフェ業態です。現在はこういった業態で10店舗以上保有されている大手法人さまを中心にアプローチしており、まずは1店舗から導入していただき徐々に他の店舗にも浸透させていくという形を取っています。全国都市圏でいち早くTABETEを使っていただけるように営業チームを強化しているところです。

池本さん

 

社会のムーブメントを先導する

ーおふたりの現在の役割を教えてください。

池本友馬(以下、池本):TABETEのクライアントを増やすセールス責任者を担っています。法人本部の皆さまやその法人が保有する各店舗の店長さんに向けて、TABETEを導入していただくためのご提案、ないしは使い続けていただくためのフォローを行なっています。

使い続けていただくためのフォローというのは、私たちがターゲットとしている業態は接客がメイン業務になるので、TABETEを導入したことで現場の負荷が増えてしまわないようなアフターフォローを行なっています。他にも、店長さんが変わったときにTABETEの活用がうまく引き継がれていない場合もあり、新しい店長さんにも使っていただけるように再度依頼することもあります。あとは、TABETEは前提として食品ロスが発生しなければ使われないサービスなので、例えば1週間ロスが起きない日が続くと次の週にはTABETEの利用を忘れてしまい、習慣化に時間がかかる場合があります。もちろんロスが起きないのは良いことですが、食品ロスが発生した日は必ずTABETEを使う習慣化ができるようなサポートもしています。

篠田:私はTABETEの事業責任者なので、営業部やマーケティング部などの部署を横断して見ています。事業立ち上げ当初はプロダクトの開発ディレクションや最初の100店舗を集める営業活動や営業企画に携わっていて、会社が安定軌道に乗るまでは何でも屋として動いてきました。今はその時々で会社が注力しているところに自分のリソースを充てるという形で、直近では主に池本さんと近い立場で法人営業に従事しています。

 

ーどのような経緯でコークッキングに入社されたのでしょうか?

池本:実は代表とは昔からの知り合いで、社会人になってからも数回話す機会がありました。そのときから「食品ロスという社会課題に挑むサービスをやる」という話を聞いていて、良い事業だなと思っていたんです。その数年後、自分が30歳という節目を迎えようとするときに、今後のキャリアについて考えることが多くなりました。これまで大手人材系企業で働いて実力をつけてきて、その力を還元できることはないだろうかと日に日に強く考えるようになっていました。そんな想いもあり、今後の世の中に絶対必要だと強く感じたTABETEの一翼を担いたいと思ったんです。加えて、何万人という大企業から10人くらいの規模になったら、実力の発揮しがいがある点も決め手となり入社を決めました。

 

篠田:私は学生時代から食品ロスを解決する事業を自分でやりたいと思っていました。1社目はグルメサイトを運営する企業に入社して、自分でゼロから食品ロス事業を立ち上げようと準備していたところ、代表と知り合いました。同じような事業をやろうとしていたので競合になる可能性もあったのですが、いろいろな話をしていく中で志は同じ方向を向いていたので、別々でやる必要もないよねという話になりました。当時はまだ新卒10ヶ月だったのでとても悩んだのですが、入社を決めて今は4年ほど働いています。

 

ー入社してよかったことや、印象的だったことを教えてください。

池本:取り組んでいることが素晴らしいので、周りの人にTABETEの話をすると必ず、「それはやらなきゃいけないサービスだね」という反応を頂きます。そう言っていただけることが自分自身の闘志にも繋がりますし、そんな素晴らしいサービスに携われているんだという充実感にも繋がります。

あとは、食に対する意識がより強くなりました。例えば、お店で食事を残さないことから意識しています。食品ロス削減サービスをやっている人間が残せないというプレッシャーではなく、自分が体現することで周りの人にも伝播して他の人も意識するようになったり、TABETEを使ってくれるようになったりするなどのポジティブな影響を与えられると思うからです。他にも料理をするときに端材を使うようになりました。最近もちょうど、キャベツの芯をひたすら煮込んでスープを作れないか挑戦していました。食に対する選択肢や楽しみ方が増えて、仕事にも還元できるしプライベートの充実感もより感じるようになりました。

篠田:私は、今世の中の流れとして食品ロス解決の優先度がすごく上がってきているなと感じていて、そこに自社が関われていることにすごくやりがいを感じます。最初の100店舗を集めていたときは、「食品ロスは必要悪で誰も解決しようと思っていない。こんなビジネスやめたほうがいい」と言われていました。食品ロスが発生しているとわざわざ自分たちから発信するなんて恥だというふうに、サービスの価値をなかなか信じてもらえませんでした。それが4年経った今は、企業さんからご連絡をくださったり、こちらからご連絡しても「ちょうど食品ロスに取り組まなきゃいけないと思っていた」と言っていただけることが多くなりました。社会のムーブメントを先導して走っていけている感覚がすごくあるので、社会の風向きが変わったことが嬉しいし、ありがたいなと思っています。

あと、ホテルさんに導入していただけるようになったことが印象的でしたね。ホテルさんには4年前からアプローチしていましたが、やはりブランディングの面で大きなハードルがあり、導入していただけるようになったのもここ1年くらいの話なんです。食品ロス削減サービスとして認知を高めてきたことで前向きにご検討いただけるようになり、実際に導入していただいたホテルのご担当者さまからも、「自分たちができなかった食品ロスの削減ができて嬉しい」とのお声を頂きました。ハイブランドのホテルさんも含め使っていただけるようになり、プロダクトの成長を感じて嬉しくなりました。

 

ー逆に、大変だったことや辛かったことはありますか?

篠田:事業立ち上げ直後の、サービスの認知やブランドをどう築くか、どう社会に受け入れてもらうかという壁に直面していたときは1番辛かったですね。当時は中食や外食という消費者に近い領域の食品ロス削減サービスは他になかったので、「食品ロスは必要悪だからこんなサービスはいらない」と言われながらTABETEというサービスをご提案し続けるのは非常に辛いものがありました。でも、自分自身はこのサービスがあれば社会はより良くなる確信があったし、自分たちが成功することで次世代の人たちが社会事業を作る良い土壌になると思っていたので、その気持ちをモチベーションに乗り越えられました。それに最初の店舗集めを頑張って実績を作ってきたからこそ、今はたくさんの店舗さんに使っていただけるようになってきたので、辛かった時期はしっかり今に活きているなと思います。

篠田さん

 

個人の自己実現も応援し合うカルチャー

ー社内の雰囲気を教えてください。

篠田:非常にフラットで和気あいあいとしていて、誰でも自由に意見を発する組織です。会社のビジョンとして「人間の創造性」を大事にしていることもあり、仕事だけでなく、個人のプライベートでの目標や自己実現を応援し合うカルチャーがあります。

池本:僕もそのカルチャーは本当に素敵だなと思っています。例えば、最近入ってきたメンバーは元箱根駅伝ランナーだったり、代表はトランペットの吹奏楽団に入って定期的に演奏会に出ていたり、僕も麻雀のプロになったりしています。そういうふうにプライベートが多種多様で、みんながお互いの自己実現を応援してくれるのが良い雰囲気に繋がっているなと感じます。

 

ーメンバーはどんな方が多いですか?

篠田:みんなやっぱり食への興味は共通して高くて、食の課題をどう解決していけるかをすごく考えています。経歴としてはけっこうバラバラで、元アスリートの方やずっとセールスキャリアを歩まれてきた方もいます。あとは、元々山に籠って自給自足の生活をしていた方もいて、今はコークッキングの目指す方向性に共感して3年ほどカスタマーサクセスとして働いてくれています。これまでの経験も重要だと思っていますが、どちらかと言うと私たちが目指す方向性やカルチャーへの共感度が高い方に入社していただいていますね。もちろんご経験がある方にぜひ来ていただきたいですが、今はまだ小さい組織ですし、みんなが自発的に動かなければいけないフェーズです。社内を見ていても、目指す方向性やカルチャーへの共感から、自分の中の「やりたい」という内発的動機で動ける方が多いなと思います。

 

ーメンバー同士のコミュニケーションはどのように取っていますか?

篠田:現在は毎週月曜日と木曜日に出社して、みんなで集まってミーティングをしています。基本的にフルフレックスなので、出社日以外は時間も場所も自由に働いています。6月からオフィス環境が変わり、出社頻度もこれから少し増える予定です。普段関係構築のために行なっているのは、クォーターごとの1on1評価面談はもちろんのこと、月に1回話したいボードメンバーを指名して1on1できる制度もあります。カジュアルなもので言うと、隔週でランチ会を実施しています。やっぱり食にまつわる会社なので、みんなでご飯を食べてお互いを知ることを重視しています。

 

検証フェーズからスケールフェーズへ。今が1番面白い

ー今セールスメンバーを募集する背景を教えてください。

池本:ユーザー数に対して店舗が少なく完全に需要過多の状況です。リリース4年で2000店舗は数字的に見れば大きな成長だと思いますが、まだ待っている消費者サイドのお客さまがたくさんいらっしゃると考えると、法人獲得をもっと強化していくことが急務となっています。また、導入後も使い続けていただくためには店舗さんに寄り添い続けていく必要があります。これらの課題に対して今の人数ではまだまだ足りないので、セールスメンバーの採用強化に至っています。

 

ーどのような人物を求めていらっしゃるのでしょうか?

池本:1番重要なのは、食や社会課題に対する興味関心があるかどうかです。食に対する興味関心は、例えば食の持続性について考えている、食品ロスについて勉強しているといったような、一段階上の興味関心があると理想的です。そうでなくても、料理で端材を使っていたり、自給自足をしていたりと、普段の生活の中で食品ロスに対して意識してアクションを起こしていることがあると良いなと思います。あと、他の社会課題にも関心が高い方は、社会課題が抱える「さまざまな要因が複雑に絡み合っている状態」を理解されています。1つのアクションだけでなく、啓蒙啓発を含めたムーブメントを巻き起こし、社会事業としての取り組みが必要なことを把握されているので、私たちのTABETEに対する想いがより深く理解していただけるんじゃないかなと思います。そういった食や社会課題への興味関心が第1条件であり、その上で一定の営業スキルがある方を求めています。特に、人を動かせる力を持っている方はTABETEで活躍できるのではないかと思います。TABETEの営業は、電話でアポを取って商談するのではなく、すでに導入してくださっている法人の横展開にアプローチしていくのが基本スタイルです。だから、法人の中で誰にどのようなアプローチをすれば良いかのアイデアをたくさん出せる・最適なコミュニケーションを設計できる・人を巻き込めるといったスキルが重要です。圧倒的な量で攻めるよりも、法人とどれだけ質の良いコミュニケーションを取れるかを重視していて、結果的にそれが店舗数拡大に繋がっていくと思っています。

 

ー食品ロス削減事業に従事するやりがいは何ですか?

池本:3つあります。1つは、やはり誰に話しても「素晴らしいサービスだ」「応援したい」と言っていただけることはすごく大きなやりがいに繋がっています。2つ目は、TABETEを導入してくださるどの法人にも積極的に社内推進してくださる方がいらっしゃるので、社内に浸透させていく戦略をその方と一緒に考えて、その法人が保有する店舗の横展開に貢献できるところです。3つ目は、私たちの会社は食品ロス削減の広告塔のような役割も一部担っているので、私たちとタッグを組むことで、その法人の社会貢献のお取り組みを世の中に発信できるところもやりがいになっています。

 

ーこのタイミングで入社する醍醐味やメリットをお伺いしたいです。

池本:会社もサービスもこれからまだまだ大きくしていけるフェーズなので、スキルがある方は裁量を持って実力を遺憾なく発揮できると思います。僕も、前職で7年間培ってきた力をTABETEに活かせている実感が日に日に大きくなっています。

篠田:会社として今のフェーズは1番面白いと思います。シリーズAまで来ていてPMFは見えてきていますし、一定のトランザクションも日々発生しています。検証フェーズからスケールフェーズへの移行段階なので、本当に裁量を持ってこれまでの経験を活かしていける、面白くてやりがいのあるフェーズです。加えて、今はメンバーが8人なので確実に中核メンバーになれる点も、今入社していただく醍醐味かなと思います。

 

食品ロス削減のパイオニア企業になる

ーこれからどのような組織を目指したいですか?

池本:どんな人でも活発に自分の意見を言って、主体的に動ける組織にしていきたいです。自分はまだ経験が浅いからと意見を飲み込んでしまうのではなく、どんどん主張してクリエイティブに動いていっていただきたいですし、そういう組織づくりを頑張っていきたいです。あとは、全員仕事もプライベートもどちらも同じくらい大事にして、創造的な人生を送れると良いなと思います。そのために、仕事だけでなくその人自身の自己実現を応援していける雰囲気づくりも引き続き大事にしていきたいです。

篠田:会社の目的と個人の人生の目的が一致している組織は強いと思っています。他の会社でも活躍できるけど、コークッキングと自分の目指す場所が同じだからこの会社にいるというメンバーが集まって、個人の自己実現もお互いに応援しながらみんなで同じ目標に向かって一緒に走っていける組織にしていきたいです。

 

ー今後の事業展開について教えてください。

篠田:まずは全国どこでもTABETEを利用していただけるようにするため、パン・洋菓子業態やホテル業態での法人獲得を最優先に注力していきます。その後は、業態を広げて外食やスーパー、コンビニにも参入していきたいと考えています。最終的には、食のサプライチェーン全体における食品ロスの削減に取り組んでいきたいので、一次産業や二次産業にもアプローチしていきたいです。あとは、食品ロスが発生したあとだけでなく、そもそも食品ロスが発生しないようなソリューションを実現していけたらいいなと考えています。食品ロスのノウハウやデータは蓄積されてきているので、それを活用してパイオニア的に先陣を切って新しい領域にどんどん取り組んでいきたいです。

池本:今は一法人や一個人に食品ロス削減の取り組みを広げていっていますが、最終的には国民全員、世界の全員が取り組むようになっていかなければいけない課題だと思うんです。私たちのサービスを多くの法人さまに導入していただくことで、食品ロス削減に携わる企業として影響力を持てるようになりたいです。そして、政策提言などを通じて食品ロスについて国と対話できるようになれたらいいなと思っています。

 

ー最後に、応募者の方へメッセージをお願いします。

池本:うちの会社で得られるものはたくさんあります。今のフェーズだからこそ、常にいろいろなことに挑戦できますし、挑戦することで何か掴んでいってほしいなと思います。

篠田:本当に今が1番面白いフェーズなので、これまでの経験で得た自分の力を社会のために使いたいという方には適切な環境だと思います。そういう方にぜひ来ていただいて、思う存分暴れていただきたいです。

株式会社コークッキングでは現在、セールスポジションにてご活躍いただける方を募集しています。詳細はこちら。※現在募集は停止しています。
https://www.wantedly.com/projects/1043796

 

株式会社コークッキング https://www.cocooking.co.jp/

 

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    interviewer

    梅田郁美

    和を以って貴しと爲し忤ふこと無きを宗と爲す。
    猫になりたい。

     

    writer

    張沙英

    餃子と抹茶大好き人間。気づけばけっこうな音量で歌ってる。3人の甥っ子をこよなく愛する叔母ばか。

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