300円で通える塾。込められた思いとは?
- 子供達が主体的に学び、社会と大人との接点を持つことができる「学習教室こかげ」
- 自己肯定感が、自分の人生に対する納得感を作る
- 自己肯定感を養うには、特に「つながりの中で受け入れられること」が大事
世界でも、「自己肯定感(=自分の価値や存在意義を肯定できる感情)」が低いとされている日本の子供たち。自身の経験からそんな点に問題意識を感じ、300円で通える質問できる自習室、「学習教室こかげ」を始めた山田さんにお話を伺ってきました。
—こんにちは!まずは自己紹介をお願いいたします。
神戸大学経済学部4年の山田瑠人(やまだ・りゅうじん)と言います。
今は、「学習教室こかげ」というサービスを提供しています。
高校生の時から言うと、落ちこぼれていたときがあって。地元の進学校に通っていて、ド底辺だったんです。でもとあるきっかけから勉強し始めて、ものすごく成績をあげて「リアルビリギャル」をやりました(笑)。
ただ大学入って「あれ、なんもしたいことないな!?」となったんです。その時に高校生の悩みや、将来したいことを話し合うようなキャリア教育をする「関西カタリバ」という組織に出会ったんです。
例えば、自分がどう生きていきたいのかという理想や、将来の夢から逆算して進路選択することなどを考えるにも、色んなロールモデルを知らないとできないんですよね。でも高校ってそんな大人や社会との接点が全然ない。親と先生でおしまい。そこで「自分が高校生の時に欲しかったのはこれだ」と気付き、二年間その活動をしていました。
―高校生時代にはどんなタイミングで社会との接点を必要としていたんですか?
高校生の落ちこぼれていた時は、自己肯定感が低かったんです。
中学校は勉強できるキャラで、なんとなく地元の進学校みたいなところに、先生や親に言われて進学したんです。
そのとき、高校生活に対する理想と現実のギャップを感じて。
「なんで感じたんだろう?」と考えた結果、自分でちゃんと選んでなかったからだと気付いたんですよね。
そこで、自分で選ばずに流されて選んで、こういう思いするなら、「俺は自分で選ぶぜ!」ってなって。
ところが、尾崎豊とか好きだったので、変に屈折してしまったんです(笑)。”自分で選ぶ”というのを、”周りに期待されていることと違うことをする”ことにをすり替えてしまった。
自分なりに頑張って選択しようとしていたんだけど、それをうまくできていなかった。だから自分なりには、自分の思うように生きているつもりなのに誰にも認められないし、なんとなく自分の中でも違和感を抱えたまんま生きていたんです。
でも、違和感を抱えていた時に、ちょっと話を聞いてくれてアドバイスをくれる大人の人がいれば、何か変わったんじゃないかなと思いました。
大学入るときも、このきっかけがあれば、経済学部ではなくて、他の学部に入っていたかもしれないし、もっというと大学に進学していないかもしれないですよね。
―なるほど。そこから今やられている「学習教室こかげ」はどのようにして出来たんですか?
関西カタリバで活動した後、就活などを経て、自分は教育の方向で生きていきたいと気付いたんです。
ただ、今の状態だと、教育についての理想はあるけど、それを実現する能力はないと思ったんですよ。そこで休学して能力つけることにフォーカスして1年間過ごしていきたいなと思い、「学習教室こかげ」を立ち上げました。
テーマは”質問ができる自習室”。
子供達が主体的に学び、社会と大人との接点を持つ場所作りをしています。
→なぜ”社会とのつながり”が必要なのか?