やらない善よりやる偽善。政治家志望が考える発展とは。
ただ、ずっと住んでて言葉が分かってくると、問題点も見えてくるんですよね。
最初は言葉が通じないから、いつもみんな笑顔ですごく幸せそうだなって思うんですよ。
けれども言葉が理解できるようになると、学校がないとか、病院がないとか、そういった様々な悩みを抱えていることを知ることになって。
僕が特に問題だと感じたのは、村に住んでいる15歳ぐらいの男の子が、国に仕事がなくて皆海外に出稼ぎに行ってしまうこと。
出稼ぎの問題点は主に二つあって、一つ目は、ものすごく優秀な人たちが海外に行ってしまうから、自国の発展に繋がりにくいこと。
二つ目は一番貧しい15歳ぐらいの男の子が、家族と離れ離れになって、過酷な労働を強いられること。
出稼ぎは21世紀の奴隷制度とも言われているんです。
そういう人間として当たり前の生活が出来ないということに、一番問題意識を覚えましたね。
―自分が恵まれた環境で育つと余計それは対比として感じそうですね。
そうなんですよ。
一人の人間として、自分と何も変わらないのに、生まれた場所が違うだけでこんなにも運命が違うのか、と僕はとにかくショックで。一見幸せそうな途上国の人たちが抱える問題がいかに根深いのか、というのを感じました。
ただ、実は、彼らに「発展して僕らの生活に近づいてほしい」とはあまり思わないんですよね。
僕はその村での生活が本当に幸せだったので、「変えたい」というよりも、「ただ喜んでほしい」かな。
例えば、村では本当に物が限られてるんです。
バレーボールとか皆大好きなんですが、ボールがないからボロッボロのをずっと使ってるんですよ。
だからバレーボールとネットをプレゼントしたり、農作業に使う道具をあげたりすると喜ばれるんです。
―つまり「今の状態を劇的に変える必要性」みたいなものは感じないけど、当たり前の幸せを感じられる瞬間を増やしたい?
そうですね。
ただ一方で解決しなくてはいけない問題もたくさんあるのと、そこでお世話になった人が多すぎて何かしらの恩返しをしたいと思っていたので、いろんなアクションを起こすようになりました。
→ ネパール人から見た日本の大学生「日本人スゲェな」
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