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BEYOND2.0を終えて―これから描きたい未来を考える

taliki編集部 2018年7月19日
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―次のトークセッションのお話が少し出ましたが、こちらはとても穏やかな空気で行われましたね。「社会貢献で食べていくということ」というテーマで、株式会社CAMPFIRE代表家入一真さん、認定NPO法人D×P理事長の今井紀明さん、そしてtaliki代表の中村多伽によるトークセッションでした。

宮嶋:今井さんのお誕生日がつい最近だったとのことで最初にハッピーバースデーを歌ったりしましたね(笑)

松本:私が印象に残ったのは、「なめらかなお金の流れを作る」という家入さんの言葉です。お金ってそもそも物々交換の仲介をする存在に過ぎないのに、資本主義が進んできたことでお金だけが過大評価されて、モノやサービスの手から離れて一人歩きしていたような気がしていて。

でも、価値を生み出している源であるモノやサービスが地位を取り戻し、お金もモノやサービスと同等の扱いを受けることになると、これまで他人にお金をあげることに対して抵抗を持っていた人々が、頑張っている人にプレゼントや差し入れや手伝いをするように、気軽に寄付をするようになる。そこで寄付を集めるのに必要なものは、莫大な所有資産や優秀なビジネスプランや確固たる社会的地位以上に、その人の人柄、信頼されている度合いなんじゃないかと。

 

中島:家入さんは「なめらかなお金の流れ」を実現するためにpolcaというサービスを運営されていますよね。

今井さんは、実際の300円とpolcaでの300円では価値が違うと考えているとおっしゃってました。金銭的支援だけではなく、知らない人が応援してくれているということ自体が自信になるため、目標金額に到達することだけがpolcaを利用する目的ではない、と。

手軽に支援を募ることができる一方で、中村さんは自分をアピールしたりなどの見せ方が下手な子が支援の網目から落ちていくのではないか、という課題についても触れていました。家入さんは「確かに支援の多い人がさらに支援を受けられるような構造ができていて、メディアで取り上げられるなどして有名になるのはそういう支援だけど、報道などで可視化されていない「声なき声」もまた多くあることも事実であり、今後もそういった今は無名な人への支援について考え続けていかなければならない」とおっしゃってました。

―お金についての話から、さらに社会での生きづらさにも話が広がっていきましたよね。

中島:そうですね、「自己責任」についての議論も印象的でした。家入さんは、様々な物事を自己責任で片づけたことによって今の社会があり、社会課題が生まれていることから、自己責任という言葉に慎重な意見でしたよね。

中村さんは、社会課題を解決したいと言っている人は往々にして社会課題の当事者であることが多い、とおっしゃってました。talikiを経営していると、社会課題を解決したいと意気込んで来てくれる子が、一か月後には死にたいと言っていることがある。その子たちの話を聞く中で、その子たちの置かれている状況は絶対にその子たちのせいではない、自己責任ではないと言い切れるようになったとお話しされていたのが印象的でした。

これはpolcaの話とも通じると思うのですが、経済的に挑戦することができないのは自己責任ではないからこそ、支援がフラットに行われて良いと思います。

 

宮嶋:私が一番心に残ったのは今井さんの安心して絶望できる」という言葉です。「失敗して当たり前。失敗しない人なんていない」というのは頭では分かっているし、正論だと思いますが、この事実が受け入れられないのは、失敗をちゃんと受け入れてくれる環境があまりにも少ないからではないのでしょうか。失敗すれば自分という人間を全否定される、アイツは成功したと比べられる、「自己責任」だと言われる。

それでも、安心して絶望できる場所はあります、数は少ないけれど絶対に。もっともっとそういった居場所を増やしたいです。

中島:「失敗してもいいコミュニティ」をつくることをお三方とも考えていましたよね。

今井さんは、D×Pで横断的なコミュニティを広げていきたいと考えていて、特に定時制で経済的に厳しい子の中には自分で起業したいと考えている子が多いため、そんな子達が安心して絶望できる場所を作りたい。現在リバ邸というシェアハウスを経営している家入さんは、リバ邸で起業に挑戦する人が多く生まれているのは、失敗しても最悪ここに戻ってくればいいという安心感があったからだと。

中村さんは、ハードの承認(存在そのものや、頑張って生きていることそのものを尊重すること)とソフトの承認(後天的に得たスキル、結果、実績、目標達成などを尊重すること)を両立できる場所がないと感じているため、自己責任と言われてきた子たちやこれから挑戦する子たちがハードとソフトの両面で認められる場所を作りたいと考えているとのことでした。

 

―BEYOND2.0全体を通してはどういう感想を持たれましたか?

中島:様々な分野で活躍している方々が集まっていたにもかかわらず、核心を突くような議論が行われていたことに驚きました。分野は違えど、困っている人を助けたいという思いを持ち、その一方で各自もそれぞれの当事者であることを認識していることから、誰のことも他人事でないと思えるような雰囲気があったんじゃないかと思います。

宮嶋:そうですね、とにかく心が温かくなる、やさしい4時間でした。自分自身救われたような気持ちにもなりました。

このイベントがきっかけで、私にも描きたい未来があることに気づくことができました。その未来に向かって、自分と自分の感情を大切にしながら、できることをやっていこうと思えました。

中島:私は起業セミナーや社会貢献セミナーのようなところにも参加したことがありますが、そのいずれとも違ったイベントでした。トークセッションだけでなく出展されているブース、参加者も本当にやさしさに溢れたイベントだったと思います。

また、私の中にも「こうしたい」と思えるような火が灯されたという感覚がありました。ほかの参加者とお話もでき、イベント後に繋がる縁もありました。このイベントを通してさらに人と人が繋がっていくこと、次のイベントにも期待しています。

 

池垣:登壇者に限らず、参加者のエネルギー量も凄まじかったです。まだ形にならないようなエネルギーが、あちこちから照射されているようでした。登壇者やブース出展者の方々が発表した彼らなりの一つの方向性や成果を一滴残らず受け止めて、自らの糧にしようとする参加者の姿勢にも敬服してしまいました。あの場に居る誰もが刺激し合い、悩みながらも発展していくその過程こそが、未来の日本を担うのかもしれませんね。

―みなさんありがとうございました!

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taliki編集部

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