「自分を救いたい」そんな想いから走り出した事業立ち上げ。
コラム

「自分を救いたい」そんな想いから走り出した事業立ち上げ。

2018-04-13
#福祉・介護 #医療

こんにちは、京都大学教育学部教育心理学系に所属している黒田拓海と申します。

タリキチプロジェクトでは「心のエネルギーのシェアリングエコノミー」をコンセプトとして掲げ、オンライン上の心的な居場所の創造を目指す ” Hareiro ” というプランを提案させて頂きました。

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私がタリキチプロジェクトの存在を知ったのは、人生の目標に迷い、真っ暗闇の中、手探りで自分の「生きる意味」を模索し続けていた時のことでした。

最初に見つけたとき、何となく「めっちゃ意識高そうなプロジェクトやな」という印象を抱いたのを覚えています。

「社会課題を持続可能な形で解決するためのプランを提案する」というのがタリキチプロジェクトのコンセプトであったわけですが、私は元々「社会課題」という言葉とは全く無縁な生活を送る大学生でした。

自分自身の歓びのためにダンスに打ち込み、知的好奇心の赴くままに勉学に励む。

世界を変えてやろうなんていう熱い志を持った「イシキガタカイ」人間とは、きっと絶対に分かり合えないだろう。

そんな人たちをどこか醒めた目で傍観し、あるいは嫌悪すらしていました。

 

そんな私がこのプロジェクトに参加したのは「自分の心を救ってくれるようなプロダクトがないのであれば、それを自分の手で創るしかない」、そして何よりも「人生に迷い、何の生産性もなく、ただ無為に自分の殻に篭もり続ける生活を変えたい」という、いわば利己的とも言えるような動機からでした。

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最初は劣等感に苛まれる日々が続きました。

参加を同じくするメンバーは学生団体で活躍していたり、個人事業主として既に事業を動かしていたり、海外で飲食店を経営したことがあったり。

私といえば、ビジネスの経験や知識なんて持ち合わせていなかったし、プランも全くのフラットから創り始めるような状態でした。

 

でも、そんな私が最後までプロジェクトを完走し、最後には「審査員賞」という賞与を頂くことができたのは「こんなちっぽけな自分だからこそ、発揮することのできる価値がある」という幻想を信じ抜くことができたからだと思っています。

そんな幻想を支えてくれるメンターやメンバーが、私の「想い」にいつも寄り添ってくれていた。

自分が必要とするプロダクトだから、自分で創ってみたい。

訳も分からず走り始めた私を支えてくれていたのは、その「想い」だけでした。

こんなものを必要としてくれる人なんているんだろうか。

そんな私を救ってくれていたのが「絶対に必要やと思う!」という、メンターや、大学生という身分を同じくするメンバーの言葉でした。

それが良いことであるとも限りませんが、僕が最初から最後まで、一貫して問題意識を振らすことなくプロジェクトに取り組むことができたのは、その言葉があってのことであったと思っています。

そして何よりも「自分を救いたい」という想いは、プロジェクトへの参加を通して、いつの間にか「自分のような誰かを救いたい」という想いに変化していました

その変化がどのようにして生じたのかは、正直、定かではありません。

でも、きっとこの変化は「何かを変えたい」という強い想いを持ったメンバーに囲まれ、その中で切磋琢磨できたからこそ、生じてきたものなのだろうと、今はそんな風に考えています。

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“ だけれど、私の人生は誰のものとも違います。

 誰のものとも違う、自分の幸せを選ぶことが出来るのです。

 幸せは、あっちからやってくるものではなく。

 こっちから、選んで手にするものだから。 ”

住野よる (2016). 「また、同じ夢を見ていた」 双葉社 pp.256

人生という物語を書き換えていくために、自分を、世界を変えるために、少しばかりの勇気を振り絞って、最初の一歩を踏み出してみること。

社会の第一線で活躍するメンターの方々、十人十色の想いを心底に抱き、夢中に向かって走り続けるメンバー、そして、どんな時でもメンバーの想いに寄り添ってくれる代表の中村多伽さん。

タリキチプロジェクトには、その「勇気ある一歩目」に値するだけの価値が、十分以上にあると思います。

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「もう生きていたくない」とすら思っていた3ヶ月前の私は、今、タリキチプロジェクトをきっかけにして新たな人生の目標を見出し、「生きててよかった」という想いを抱きながら、その目標に向かって走り続けています。

 

本来であれば、事業を通して「生まれてきてよかった」と思う世界を創り出していくことが、タリキチプロジェクトの参加者である私に課せられていた使命であったわけですが、実際には、私自身もまた「タリキチプロジェクト」という事業に心を救われた人間であったように思います。

 

この文章が、過去の私みたいな「誰か」の背中をちょっとだけでも押してくれるようなものとなることを願っています。

ありがとうございました。

 

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