【パソナの人に聞いてみた】社会問題ってどうやって解決するの?
インタビュー

【パソナの人に聞いてみた】社会問題ってどうやって解決するの?

2017-05-23
#地域・まちづくり

今回は、株式会社パソナで新規事業の開発をされている加藤遼さま(以下、敬称略)と、同会社にて営業、パラレルキャリア(本業と関わりがあるような副業)としてカンボジア関連の事業をされている鹽井(しおい)晴香さま(以下、敬称略)にインタビューをさせていただきました。

株式会社パソナの親会社である株式会社パソナグループは、企業理念として『社会の問題点を解決する』ことを掲げています。

そこで実際に働いているお二人はどのように”社会問題”を捉え、どのように”解決”しているのか、お話を聞いてきました。

―お二人のお仕事の内容について教えてください。

加藤 僕はパソナのNew Business Development室という部署のソーシャルイノベーションチームというところで、社会問題をビジネスで解決していくという、新規事業を作っていく部署にいます。

今直近でやっていることは主に二つあって、一つ目がシェアリングエコノミー(個人の保有する知識・スキル・資産を共有する新しい経済の形)を活用した、新しい働き方のインフラを作るという事業。

もう一つが「オープンデザイントラベルハブ」という事業ですね。民間版の観光案内所をつくって、海外の旅行会社に入ってもらったり、海外の旅行者に対して自分で事業を作って資金調達してもらったり、海外のようなインバウンド(訪日外国人)のお客様に対してソリューションを提供したいという地域の自治体に集まって頂いて新しい事業を生んでもらう、みたいなことをしていく予定です。

鹽井 私は本業では派遣の営業をしています。コールセンターがメインのお客様にしており、企業様に適切な人材をご紹介し、その後も長期就労できるよう、フォローしています。

加藤 僕は仕事で社会課題解決型の新規事業の開発をしていて、鹽井さんはパラレルキャリアみたいな形でカンボジアの事業をしているんだよね。

鹽井 そうなんです。去年一般社団法人Sokha Cambodiaという法人を立ち上げ、今はカンボジアと日本を繋げるイベント運営や留学生サポート、奨学金寄付などの取り組みを行っています。

カンボジアで活動されているNPOや企業の方々とコラボして、その団体様の思いを発信し、ワークショップなどを通して様々な問題について考える空間をつくっています。今後は、ウェブサービスを立ち上げ、留学生や若者のサポートに力を入れていこうと思っています。

新しくできたパソナ本社のカフェにて。めっちゃ綺麗!

二人にとっての、”社会問題”とは?

―そんなお二人にお聞きしたいのですが、そもそも社会問題って何なんでしょう?すごくよく使うのに、世間ではハッキリ定義されていないと思うのですが…。パソナさんは企業として「社会問題の解決」を理念として掲げていますよね。

加藤 僕は自分の身の周りの問題だと最近思っています。家族や友達や同僚や知り合い、それぞれが抱えている課題がある。それに対して何かしらの形で貢献したいし、貢献したら感謝される。感謝されると単純に嬉しいし、その感覚を貰いながら生きていきたいと思ってる。(笑)

若者と中小企業をマッチングする仕事、東北の被災者と企業をマッチングする事業、地方で新しくビジネスを立ち上げる人たちのインキュベーション(新規事業の立ち上げを支援すること)、シェアリングエコノミーで稼ぐ個人を応援する事業など、様々な事業をしているんだけど、全部に共通しているのは自分がリアルに関わった人たちの応援という点。それをやった時に、後から社会問題の解決とタグ付けされることが多いかな。

自分が社会の問題だと感じることって自分が知っていることなんですよね。でも、それがマクロとリンクしていることもある。

たとえば、2010年くらいは新卒で就職するのがすごく難しい時期だったんです。今は(就職も進学もしない大卒者は)1万9千人くらいだけど、当時12万人くらいだったんですよ。でも、会社の有効求人倍率は4倍、つまり4社に1社しか新卒が採用できなかったんです。

「だったらこれをマッチングすると一気に2つの課題が解決するかも?」とマクロから視点を得るわけです。

そこで実際に若者と会って話を聞いてみると、「本当にそういう問題起こってるんだ」と(ミクロな視点で)わかるんですよね。そこで、その状況に対して仕組みを作っていくんです。で、やっていくとすごく喜ばれる。

例えば2,3年後「僕今こうやって就職して仕事してます」とか、「雇った人がこうやって今うちの会社で活躍しています」とか、フィードバックが来てはじめて社会問題の解決に貢献したという実感が湧きますね。

「身近で困ってる人がいる=マクロな視点から見ても問題である、つまり社会的に問題とされている」ということですね。

加藤 そういうこと。とは言いつつも社会問題って予測が出来ることもあるんです。

例えば人口減少、少子高齢化の現象って、これから劇的に変わっていかないじゃないですか。だからそこから引き起こされる社会問題って結構想定できる場合もあって。そいういうのをマクロな視点から見た時に「事前に予防しなきゃいけないよね」という形でやることもあります。

鹽井 私も身の回りのことから入っていくことが多いかな。自分が直面した問題に対して、「解決するには今何が出来るのかな」と考えてやっていますね。

人によって感じる社会問題って、違うんですよね。うちの会社は、社員それぞれが「私はこれが解決したいんです」と社会問題を感じた人が集まってきているという感じ。

加藤 パソナも社会の問題点の解決方法を示してるんだけどね。「僕はこういうのも問題だと思ってる」と社員も言っているというイメージ。

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