【前編】BEYOND2024「インパクトを再考する」。全国から815名が参加しました!BEYOND2025の開催も決定
2024年10月19日(土)・20日(日)に国内最大級の社会起業家向けソーシャルカンファレンス『BEYOND2024』を京都リサーチパークにて開催しました。今年のテーマは「インパクトを再考する」。社会課題解決が進んだ先の社会をどう創っていくか、今を生きるすべての人々とともに考えていくイベントです。
イベント当日は社会課題に取り組む起業家・NPO・支援機関・大手企業・行政などの様々なプレイヤーが一堂に会し、会場全体が熱気と優しさに包まれました。 2日間で延べ815名にご参加いただき、大盛況のうちに幕を閉じました。
前編ではBEYOND2024のテーマやDay1のコンテンツをお伝えします。後編では、Day2の様子や来年開催のBEYOND2025についてご紹介します。
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もくじ
BEYOND2024とは?
『BEYOND』は、社会課題解決に取り組むプレイヤーを支援する株式会社talikiによる、国内最大級のソーシャルカンファレンスです。2018年から過去7回開催し、延べ1700名以上の方に参加していただきました。8回目となる今回は初の2DAYSで開催しました。
開催目的は以下のとおりであり、社会起業家・非営利団体・投資家・民間企業・行政・学生などの各セクターを超えて、次の未来についてともに考えました。
<ソーシャルカンファレンス「BEYOND」の開催目的>
1.社会課題解決の市場規模拡大を加速させるための場を提供する
2.ビジネスになりづらい社会課題への取組みに対して、資本の再分配を加速させるための場を提供する
3.インパクトスタートアップ支援の気運を醸成する
今年のテーマは「インパクトを再考する」
今年のテーマは「インパクトを再考する」。近年、インパクト投資、インパクトスタートアップ、インパクトマネジメントなど、「インパクト」という言葉とともに、社会課題解決の土壌づくりが進んでいます。
言葉を持つことで認知や活動が広がる一方、真に達成すべき目的や本質を見失うことにもつながりかねません。また、社会課題解決は「インパクト」と名のつく取り組みだけではありません。BEYOND2024では、「インパクト」という言葉の先にあったもの、すなわち社会課題解決が進んだ未来に改めて目を向け、どうやって社会をより良くしていくかを考えることを目指しました。
コンテンツのご紹介
計8つのトークセッションのほか、ステージの異なる2つのピッチ、社会起業家・非営利団体によるブース展示、投資家への事業壁打ち「VCスクランブル」など、さまざまなコンテンツを実施しました。
DAY1
▼タイムスケジュール
オープニングセッション「社会課題解決の役割分担を捉え直す」
オープニングセッションの題目は「社会課題解決の役割分担を捉え直す」。現在は社会起業家であり、新公益連盟の前代表理事である白井智子氏。インパクト投資ファンドを運営する山中礼二氏、中村多伽。社会起業家の安部敏樹氏。異なる立場から社会課題解決に携わる4名が、それぞれの立場から「社会課題解決」「インパクト」を語るセッションとなりました。
「インパクト」という言葉が盛り上がる裏で見落とされているものはないのか。「インパクト」は真に社会を良くしているのか。BEYOND2024で考えたい問いが提示された1時間でした。
<登壇者> ※順不同
白井智子氏(社会起業家)
山中礼二氏(KIBOW社会投資ファンド 代表パートナー / グロービス経営大学院 教員)
安部敏樹氏(リディラバ 代表)
<モデレーター>
中村多伽(株式会社taliki 代表取締役CEO)
社会起業家スケールピッチ
社会課題解決と事業拡大の両輪を直向きに追う社会起業家(プレシリーズA前後)によるピッチを行いました。最後には、審査員を代表して高塚清佳氏から「登壇者が課題を自分事として捉えていることがひしひしと感じられた。これからもスタートラインに常に立ち返って戦略を描き続けてほしい」と総評をいただきました。
<登壇者> ※発表順
山内萌斗氏(株式会社Gab)
久保直生氏(株式会社Kazamidori)
谷英希氏(株式会社ヴァレイ)
幸脇啓子氏(株式会社grow&partners)
工藤柊氏(株式会社ブイクック)
<審査員> ※順不同
山中礼二氏(KIBOW社会投資ファンド 代表パートナー / グロービス経営大学院 教員)
久保田雅也氏(Project Coalis General Partner)
高塚清佳氏(インパクト・キャピタル株式会社 代表取締役 / 新生インパクト投資株式会社 代表取締役)
鎌田恭幸氏(鎌倉投信株式会社 代表取締役社長)
トークセッション「地域課題解決にユニコーンは必要なのか」
サブステージで最初に行ったのは、自治体職員として地域課題解決に取り組む恵良氏・福田氏・内藤氏と、行政とも連携したプロジェクトを行っている石塚氏をゲストに、スタートアップ支援×地域課題解決について議論したセッションです。「完全オフレコ」を条件に、会場限りでの赤裸々かつ鋭い意見が交わされました。
<登壇者> ※順不同
恵良陽一氏(京都市 産業観光局)
福田志織氏(神戸市新産業創造課 イノベーション専門官)
内藤諒氏(名古屋市経済局(イノベーション推進部)スタートアップ支援課 主任)
石塚理博氏(一般社団法人インパクトスタートアップ協会 事務局・運営メンバー)
<モデレーター>
原田岳(株式会社taliki 取締役 / U35-KYOTO プロジェクトマネージャー)
トークセッション「ビジネス化の難しい社会課題解決領域への挑戦」
バズホール2つ目のセッションは「ビジネス化の難しい社会課題解決領域への挑戦」。インパクト投資ファンドの松井孝憲氏をモデレーターに迎え、貧困・性暴力など、受益者負担が難しいことからビジネス化しにくいと言われていた領域に挑戦する社会起業家3名のセッションを行いました。
「定量化は可能なの?」「社会課題領域によって定量化のしやすさに違いがある?」「そもそも定量化は必要なの?」など、参加者からも活発に質問が集まりました。登壇者からの「インパクトを定量化しようとすることで、生の人を見なくなるのではないか」「検証フェーズを一緒に乗り越えてくれるインパクトファンドが欲しい」というコメントも印象的でした。
<登壇者> ※順不同
市川加奈氏(Relight株式会社 代表取締役)
金辰泰氏(Robo Co-op Founder&CEO / Welcome Japan 代表理事)
石川加奈子氏(株式会社grigry 代表取締役社長)
<モデレーター>
松井孝憲氏(KIBOW社会投資ファンド プリンシパル / グロービス経営大学院 准教授)
トークセッション「社会起業家と大手事業会社のオープンイノベーションの進め方」
昨年この場から新たな協業が生まれたオープンイノベーションセッション。今年は、社会起業家の山内氏、唐沢氏と大手事業会社の桝井氏、小川氏が登壇し、オープンイノベーションが成功するための要素や、立場の違う2社が協業する際に気をつけるべきことなどをそれぞれの実体験からお話しました。
社会起業家側からは、「メリットが多いからこそ、協業中毒になって本業が疎かにならないような経営判断が重要」など、リソースが限られるスタートアップならでは視点から意見が交わされました。また大手企業側からは、「大手企業の担当者はスタートアップへのリスペクトを持ち、自社の現場状況をちゃんと理解しておかないとうまくいかない」といったお話や、担当者が社内に協業ロジックを通す工夫などが語られました。
トークセッション「金融ビジネスにおける社会課題解決を見つめる」
1日目最後は、金融を専門とする4名をお迎えし、金融的手法や思考によってインパクトはどう肯定できるのか?という問いを考えるセッションです。セッションは、社会課題を解決していないスタートアップってあるのだろうか、「インパクト」として切り分けることにどれだけの意味があるのかという問いから始まりました。
本トークセッションのキーワードは、「グラデーション」「共感」でした。社会性と財務性について、両立するかを議論する必要はなく、ただお金の出し手が期待するものを届けたらいい、ありか・なしかではなく、ポートフォリオで考えたらいい。そして、投資の資金を集めるには共感が大切であり、「インパクト投資」という言葉が共感を引き出す鍵として活用できるかもしれないという示唆が得られました。
<登壇者> ※順不同
小崎亜依子氏(日本公益活動連携機構(JANPIA)出資事業部長)
鎌田恭幸氏(鎌倉投信株式会社 代表取締役社長)
久保田雅也氏(Project Coalis General Partner)
<モデレーター>
前川寛洋氏(ファンズ株式会社 取締役CFO / Funds Startups株式会社 代表取締役)
前編ではBEYOND2024のテーマやDay1のコンテンツをお伝えしました。後編では、Day2の様子や来年開催のBEYOND2025のことをご紹介します。
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