【前編】COM-PJに集まった社会起業家のリアルとは?プログラムでの事業の変遷と最終ピッチの意気込みを語る!
2023年7月から10月にかけて開催中の社会起業家支援プログラム『COM-PJ』。talikiと京都リサーチパークが主催する、社会課題の解決を目指し起業を志す若者を対象としたこのプログラムは、今回で4期目の開催となりました。
仲間たちとの毎週の進捗報告会から、先輩経営者やVCなどメンターによる講演やフィードバックなど、コンテンツが盛りだくさんだった本プログラムもいよいよ終わりを迎え、参加者の皆さんは最終発表会でのピッチの準備に取り掛かっています!
COM-PJに参加する中で出てきた悩みや事業の変遷を伺い、最終発表に向けた意気込みを参加者の皆さんに教えていただきました!本記事はまず前編として、COM-PJ参加者の方6名をご紹介します。 社会起業家の方や、起業による社会課題解決へ興味のある方は必見です!
【『COM-PJ』とは?】
「あなたの優しさが、社会に接続される3ヶ月」
talikiと京都リサーチパークが主催する、社会課題の解決を目指し起業を志す若者を対象とした起業家支援プログラムです。 第4期は2023年7月から3ヶ月間開催し、仲間たちとの毎週の進捗報告会の他、先輩経営者やVCなどメンターによる講演やフィードバックを行いました。
もくじ
『すべての子どもたちの可能性が最大になることを目指す』安田 侑樹さん
小学校教員(認定NPO法人TeachForJapan)
COM-PJの参加時に取り組もうとしていた事業
学校外でも子どもたちが学べる個々に合わせた学習支援サービスです。
COM-PJに参加する中で、事業に対して何か気づいた点や心境の変化
自分が本当にやりたいと思うことは、親御さんや周りのサポートがないと実現しないということに気づき、今の事業に取り組んでいくのは長期戦になるだろうということにも気づきました。
それを経たことで事業がどう変化したか
教育にアンテナをはっている親御さんにターゲットを当てて、拡大をしていく方向になりました。 親御さんにアプローチをしていくことで、選択肢や機会、経験に制限がかかる子どもたち(学校教育)にもアプローチをしていきます。
今、取り組んでいる事業や最終発表会に向けて準備していること
教育事業で個々の学びに最適化された伴走型の学習支援サービスです。課題当事者へヒアリングとプロトタイプの作成を進めています!
最終発表会に向けての意気込み
子どもたちに対する教育という文脈での情熱は誰にも負けないと思っております!持前の熱と現職でのリアルな原体験をもとに自分の思いを伝えたいと思います!
『教育リソースの分配効率の最大化を目指す』今川 裕太さん
COM-PJの参加時に取り組もうとしていた事業
子育て・教育の視点で情報を集め、配信するプラットフォームアプリケーションです。
COM-PJを通して苦労した点
求められる仮説検証を行うスピードがこれまでやってきたことよりも圧倒的に早く、スピード感を合わせることに苦労し、自分の弱さや過去にできなかったことに最大限向き合う必要があった3ヶ月間でした。COM-PJの運営の方々はそんな私の弱い部分に寄り添い、時には背中を押してくれました。
COM-PJに参加する中で、事業に対して何か気づいた点や心境の変化はありましたか?
「これがユーザーの課題だ!」と思っていたものが、潜在的な課題を捉えきれているものではなく、参加前の課題の認識は曖昧でした。また、解決したい課題を持っている方に対する解像度もCOM-PJ参加前は今よりも低かったと感じています。
今、取り組んでいる事業や最終発表会に向けて準備していること
教育特化型のキュレーションプラットフォームです。
今はコア機能が、課題を持っている方の課題を解決することに寄与しているのかという検証を行うためにプロトタイプを作成して検証を回しています。
最終発表会に向けての意気込み
共に切磋琢磨しながら進んできた仲間達と、素敵な舞台でここまでの過程を讃えあうことができることがとても嬉しく、また、とても楽しみにしています!自分の出番が終わった時に、COM-PJ参加前よりも一歩でも前に進んでいることを実感できるように準備がんばります!
『一生青春し続けられる世界を創造する』狐塚 ゆうじろうさん
FumidaiStudio
COM-PJの参加時に取り組もうとしていた事業
始めは創業初期の起業家のライフスタイルを変化させる事業を考えていました。社会課題として起業家のメンタルヘルスが挙げられており、自分自身も自殺を考えたこともあった経験から、これ以上同じ思いをする人を増やしたくなかったためです。
COM-PJを通して苦労した点
19歳から起業の世界に入り、自分が学習し実践してきたビジネスの世界の『守・破・離』に関して、自分の守と、COM-PJの守が違っていました。新しい守を取り入れるために、自分の中の守が我になった瞬間は、動きづらいと感じ苦労しました。
COM-PJに参加する中で、事業に対して何か気づいた点や心境の変化
一番大きなターニングポイントは中間発表でした。自分の理想とする世界の実現の為には、自分の好きなことで誰かを喜ばせられるような人を作ることがマストでした。その点に関して中間発表会で審査員の方からコメントをいただき、初めに考えていた事業が大きく変わりました。
それを経たことで事業がどう変化したか
最終発表会まで残り一ヶ月で事業をピボットしました。焦りなのかは分かりませんが、ピボットしてからのネクストアクションは素早くできたと思います。 自分なりに、COMの守を続けてきたからこそ、自信を持って動けているし、次は何をすると効果が得れるのかがわかるようになってきました。
今、取り組んでいる事業や最終発表会に向けて準備していること
「誰でも、どこでも働ける案件掲載サイト」です!
最終発表会に向けての意気込み
これまで身の丈に合わないと感じ、戦いながらピッチを繰り返してきました。 その度に言い訳を一生懸命探していました。100戦100敗。これまでずっと、自分との勝負に負けてきました。 COM-PJでは、KRPの井上さんもずっとメンタリングしてくれました。Fumidaiメンバーもコアメンバーが増えました。 COMの最終発表は、そんな自分との勝負。一切負けないし、一切引きません!
『100年先の子どもたちが豊かな食にふれられる世界をつくる』庄子 実桜さん
COM-PJの参加時に取り組もうとしていた事業
飲食店紹介サイトを作りたいと考えていました。これまで、小学生〜大学生へ食を切り口にした学びを届けてきたので、今度は大人世代に向けたアプローチがしたいと思ったことがきっかけでした。
COM-PJを通して苦労した点
意思決定をすることが大変でした。私は創業者ではないため、これまで自分で意思決定をする場面が少なく、COM-PJで初めて自分で考えて意思決定をしながら進めることを経験し苦労しました。しかし、メンターのみなさんの愛ある伴走や、メンタルフィットネス、毎週の進捗報告会の仕組みなど、丁寧に設計されたプログラムを通して、少しずつですが自分の意識の変化や成長を感じ、今では参加前と比べて、怯えずに自信を持って意思決定を重ねることができています。
COM-PJに参加する中で、事業に対して何か気づいた点や心境の変化
常に意図を持って動くことの大切さに気づくことができました。「なぜこのようなビジョンを掲げているのか?」「なぜこのサービスを作りたいのか?」など、常に思考し続け、課題に向き合うことで、ぶれることなく自信を持って事業づくりを進めることができると思いました。
それを経たことで事業がどう変化したか
当初考えていたサービスとは全く違うものになりました。COM-PJ参加前の自分では、全く想像していなかった場所へたどり着いた感覚があります(笑)
それでも、ターゲットが願う豊かな食にアクセスできるようにと考えた結果の変化なので、とてもいい経験ができたと感じています。
今、取り組んでいる事業や最終発表会に向けて準備していること
副菜の宅食サービスです。
無料のモニターを募集し、サービスを利用してもらいながら検証を進めています!
最終発表会に向けての意気込み
この事業を一歩でも前に進めるために、最終発表会では意義ある時間にしたいです。そのために、残りの時間悔いが残らないよう全力で走り抜きたいと思います!緊張していますが、楽しんでいきたいと思います!
『全ての人の可能性を最大化させることが出来る社会へ』新井 涼太郎さん
学生
COM-PJの参加時に取り組もうとしていた事業
教育プログラムの流通プラットフォームです。
COM-PJを通して苦労した点
課題は見つかるけれど、その課題の深掘り方がわからず、解決策も見つからないという点に苦労しました。
COM-PJに参加する中で、事業に対して何か気づいた点や心境の変化
自分自身とは全く関係のなさそうな領域に関して知ることや考察することが事業案に繋がることがわかり、取り組む事業案が大きく変わりました。
今、取り組んでいる事業や最終発表会に向けて準備していること
早期の長期インターン採用と探究学習プログラムを組み合わせた事業です。
最終発表会に向けての意気込み
自分1人で喋るのではなく観客に訴えかけるようなプレゼンをしたいと思います! 緊張すると思いますが優勝目指して頑張ります!
『「無自覚のカフェイン過敏症」から逃れられる社会に。』中村 貴大さん
COM-PJの参加時に取り組もうとしていた事業
デカフェ飲料事業です。
COM-PJを通して苦労した点
「デカフェ=日常的な飲料」にするために、思考を深めるために対話を続けました。製品開発以外のアイデアを深めていくことがとても難航しました。
COM-PJに参加する中で、事業に対して何か気づいた点や心境の変化
様々なアドバイスを頂く中で、「カフェイン過敏症になりやすい、なりにくい遺伝子」があるという発見ができ、そのおかげで一気に視界が広がった感覚がありました。
それを経たことで事業がどう変化したか
「デカフェ×遺伝子診断」という独自のモデルができそうな予感がしています。また、「遺伝子診断×〇〇」という発展も今後の事業フェーズで考えられそうで、ワクワクしています。
今、取り組んでいる事業や最終発表会に向けて準備していること
簡易遺伝子診断のプロトタイプを作っています。また、このツールによって、カフェイン過敏症だけでなく、他の身体へネガティブな影響を与える食品が診断できないか、と可能性を広げていっています。
最終発表会に向けての意気込み
とにかく勝ち取ります。自身が今、考えていること、活動していること、自分自身のキャラクターも合わせて、できる限り多くの方に伝え、この発表自体の結果やサポートしていただけるパートナーを見つけていきたいと思います。これを起点に事業にブーストをかけていきたいです!
前半ではCOM-PJに参加する中で出てきた悩みや最終発表会に向けた意気込みを参加者の6名の方から教えていただきました。後編では、さらに6名の方をご紹介いたします。