組織開発に貢献するリーダーシップサーベイ。多くのスタートアップが直面する課題の解消をサポートする

hal株式会社が提供するリーダーシップサーベイは、リーダーシップの要素を複数の領域に分け、自己評価と他己評価でその人自身のリーダーシップの特性や認知のズレを知るためのものである。サーベイの結果に基づいてコーチングを行うことでリーダーの課題に寄り添うと共に、リーダーシップを高めた結果、組織そのものや事業がより良い状態に向かうことを期待できる。本記事では、サーベイとコーチングを提供するhal株式会社の山田瑠人と、実際にhalのサーベイを受けた株式会社ブイクックの工藤柊に実際の流れについて話を聞いたほか、株式会社talikiの中村多伽も同席しスタートアップの組織開発について話した。

【プロフィール】
・山田 瑠人(やまだ りゅうじん)写真左
1995年生まれ。大学時代は塾の運営など教育に関わる様々な活動に携わってきた。デンマークでの視察から着想を得て、2019年に対話と自己理解を用いた「人生を創造する学校」がコンセプトの生き方テラコヤを創業。ワークショップやコーチングを通して自分自身を深く理解し、人生を方向付けるプログラムを運営してきた。2021年4月にhal株式会社を設立。

 

・工藤 柊(くどう しゅう)写真右
株式会社ブイクックCEO。ヴィーガン料理のレシピ投稿サイト『ブイクック』やヴィーガン商品の通販サイト『ブイクックモール』を運営する。自身も高校3年生のときから、環境問題と動物倫理の観点からヴィーガンを実践。

 

・中村 多伽(なかむら たか)
2017年に京都で起業家を支援する仕組みを作るため、talikiを立ち上げる。創業当時から実施している、U30の社会課題を解決する事業の立ち上げ支援を行うプログラム提供にとどまらず、現在は上場企業のオープンイノベーション案件や、自社投資ファンドからの出資も行なっている。

リーダーシップサーベイとは?

ーまずは、halで行なっているリーダーシップサーベイについて教えてください。

山田瑠人(以下、山田):リーダーシップサークルプロファイルを用いてリーダーシップを分析するサーベイを行っています。円形のグラフで結果が出るという特徴があり、リーダーシップの主要な2要素である(1)クリエイティブ・コンピテンシーの能力と、(2)リアクティブ傾向を測定して情報を統合できるようになっています。

(1)クリエイティブ・コンピテンシーとは、高い成果につながるリーダーの行動特性のことです。結果達成の度合い、他者の能力を引き出しているか、ビジョンを持って組織を率いているか、自らの成長に力を注いでいるか、誠実に且つ勇気を持って行動しているか、システム(組織やコミュニティなど)の向上に貢献しているかなどを測定します。

(2)リアクティブ傾向とは自己制限的・反応的な傾向を意味します。結果を生み出すことよりも慎重さを、生産的な行動よりも自己防衛を、協調性の構築よりも攻撃性を優先してしまっているようなリーダーシップスタイルを測定します。

しかも、自己評価だけでなく、チームメンバーなどからの他者評価も一緒に可視化できるんです。サーベイを受けていただくことで、リーダーシップを育てていく上で重要なポイントが瞬時に可視化され、その結果に基づいてコーチングを行ない、寄り添っていくので、リーダー自身の「ここをもっと伸ばしたい」とか「ここは課題に感じている」という感覚からリーダシップを紐解いていけるようになっています。人間誰しもリーダーシップの発揮を阻害する無自覚な思い込みがあると思いますが、それを360度フィードバックのサーベイとコーチングで築くことで、より深いレベルでリーダーとして成長できるように支援していくサービスです。

 

ーこの結果表はどう読み解くのでしょうか?

リーダーシップ・サークル・プロファイル https://leadershipcircle.com/ja/products/leadership-circle-profile/

 

山田:X軸とY軸でそれぞれ指標が置かれています。

まずX軸の右側が任務、左側が関係性を示します。リーダーシップの古典的なPM理論で言うところの、パフォーマンス(目標達成機能)とメインテイン(集団維持機能)と同義で、仕事を進めていく上で大事な目標達成の行動特性と、関係性を作っていく行動特性が可視化されます。

一方のY軸は、上がクリエイティブ傾向で、下がリアクティブ傾向を示しています。上方向を見ることで、リーダーシップをより向上させたり、事業を拡大したり課題解決をしたりする上で効果的と言われる行動特性がどの程度あるのか知ることができます。逆に下方向のリアクティブ傾向というのは、リーダーシップの発揮を阻害するような要素が分かるようになっています。

黒い線が自己評価を、黄緑色の網掛けが他者評価の値です。例えば、この結果表の人は真ん中上部にある『一貫性』の値が、自己評価と他者評価で大きなギャップがあります。このような形で、自身のリーダーシップ特性と自他の評価を読み解くことができます。

 

サーベイの結果をもとに、最適なサポートを

ー工藤さんはこのサーベイを受けられていますが、感想を教えてください。

工藤柊(以下、工藤):率直に面白かったです。特に自分の評価と、他者からの評価を比較できるのが良かったです。

 

山田:ちなみに工藤くんはすごく良い結果でした。

 

工藤さんの結果表

 

中村多伽(以下、タカ):私も工藤くんのサーベイに他者評価側で参加しましたが、高得点を連打した記憶があります(笑)。

 

工藤:他者評価には、社内のメンバーやタカさん、瑠人さんなどに参加いただきましたが、やっぱり自分の評価と他者からの評価でズレがある部分が一目で分かって面白いですね。例えば『心理的な隔たり』は、僕自身も「少しはあるだろうな」と思っていましたが、他者評価は100点中80点くらいになっていて、予想以上に壁を感じているようでした(笑)。逆に『思いやりのあるつながり』や『効果的なリーダーシップ発現』は自分が思っている以上に周りに評価されていたり。

サーベイ後にコーチングを受けるのですが、結果を見ながら「心理的な隔たりはこう解消していこう」とか「思いやりは自分で思っているほど悪くないようだから、できていることをきちんと自己認知しよう」という風に感じられました。

 

ーサーベイを受けてみようと思ったのはどうしてですか?

工藤:昨年の12月くらいに「メンバーと情緒的なコミュニケーションが取れていなかったな」と反省していた時期がありました。元々人と仲良くなるのが苦手なのですが、2022年は頑張ってやってみようと思っていたところ、サーベイのお誘いを受けたので、丁度良いタイミングだなと思って参加を決めました。自分の特性を知りたかったし、自分で工夫して改善できるなら、積極的に取り組みたいと思っていたので本当に良い機会でした。

 

山田:この結果表って、向かい合う項目が打ち消し合うようになっているんです。だから、ある項目を向上させようと思ったら、それ自体を上げるための努力をするより、反対側の項目を下げる努力をする方が効果的だったりします。工藤くんの場合だと、『心理的な隔たり』の他者評価が高くなっていて、反対側にある『一貫性』が周りの項目と比べて珍しく自他の評価にギャップがある。本人の中では一貫しているつもりだけれど、自己の思考プロセスを周りに共有しないので、チームのみんなからすると一貫性の評価が低くなっているというような話も出てきました。この『一貫性』を改善できれば、自ずと『心理的な隔たり』も解消されていくわけです。

結果を見て、工藤くん自身ができることを一緒に考えていたのですが、「会社では仲良くなったり自分をさらけ出したりするのが苦手だけれど、パートナーに対しては論理的にも情緒的にも関われている」とのことでした。だから、「パートナーと関わる時のように会社でも振る舞えるとうまくいくかもね」と話をしました。普段はいろんな問題をすぐに解決していく工藤くんが、この場では珍しく悩んでいたのが印象的でした(笑)。

 

もう1つ面白いのが、『効果的リーダーシップの発現』です。この項目は、リーダーシップを効果的に発揮できているという認識の程度を表しています。工藤くんの場合、自己評価が極端に低く、他己評価が極端に高くなっています。この差分は、「リーダーシップが大いに発揮できていて、かつ謙虚だね。」というには大きすぎる印象です。この結果には、工藤くん自身が「もっと上に行きたい」とか「もっとチャレンジしたい」というように、現状に満足することなく高い視座を持っていることが影響しているのかなと思います。周りの人は今の工藤くんを十分評価しているけれど、本人の基準がもっと上にあるということですね。これ自体は全然悪いことではないと思いますが、まずはできていることを自己認知することで、周りとよりスムーズなコミュニケーションが取れるようになるなどの効果もあるので、段階的にチームを導く方が良いというお話もしました。

 

ーサーベイやコーチングといったhalのサポートを受けた後、ご自身やチームに何か変化はありましたか?

工藤:受けたあとに、個人で意識して取り組むことを3つ決めました。1つ目が、個人的な体験や想いと、合理性をセットで説明すること。『一貫性』のギャップは、自分の考えが他者に伝わっていなかったことが原因かと思います。情緒的な部分と事業的な部分をどちらも共有するように意識すれば改善するのではないかと思ったので取り組むことを決めました。2つ目が、日頃の感謝を伝える機会を持つこと。3つ目が、フィードバックをたくさんすることです。この2つも『心理的な隔たり』や『一貫性』に関わる部分で、コミュニケーションを活性化させることで結果がついてくるのではないかと考えています。

 

山田:実践し始めてからまだ日が浅いと思うけど、チームでのコミュニケーションはどう?

 

工藤:「こんなんやってみた、面白かった」とサーベイの結果を見せることが会話のきっかけになりました。メンバーの中には、シェアハウスで一緒に住んでいる人もいるのですが「一緒に住み始めてからは『心理的隔たり』をあまり感じなくなった。業務だけで関わるときは合理的な人だと思っていたけど、普段の生活を見ると片付けが苦手だったり、そういう面を知れたからだと思う。」という意見もありました。正しさや合理性だけでなく、人間的な弱さや至らなさを伝えることもコミュニケーションにおいて大事だったんだなということに、このサーベイからの会話をきっかけに気づくことができました。最近は、オフィスでメンバーと話すことも増えて、『心理的な隔たり』も少しずつ解消できているのではないかと思います。

 

ー工藤さんのサーベイやその後のサポートを通じて、印象的だったことはありますか?

山田:まず、工藤くんの結果がデータベースの基準値と比較してもすごく高いんですね。もちろん半年間ワークショップなどで関わっていたので信頼関係の高さは実感していましたが、実際に数値化されると正直結果が良すぎて驚きました(笑)。同時に、工藤くんがより高いところを目標にしていることもわかったので、工藤くんもチームも成長していくための具体的な方法を考えていく必要があるという、今後の方向性がクリアにもなりました。あとは、至らないところを頑張って伸ばそうと考えがちなんですが、パートナーとの関係においてはうまくできているということで、自分のできた経験を活かすという発想になれたのはすごく嬉しかったですね。

 

タカ:私が気になったのは、サーベイを受けた人みんなが、結果を受けてすんなり納得できたり解決策を考えたりすることができるのかなということです。それって自己認知能力が高くないと結構難しいんじゃないかなと思いました。

 

山田:たしかに自己認知が低い人だと、結果を見てショックを受けちゃうこともあると思います。「自分のことが相手に全然伝わってない」とか、「自分はこうじゃないのに、おかしい」とか、驚きや苛立ちのような感情的な反応が出る方も多いかもしれないです。でも、むしろ感情的な反応が出るほど衝撃的な結果を突きつけられることで、認知や意識変化が促されるのではないかなとも思います。

工藤くんのようにサーベイ自体もその後の改善も面白がってできるタイプもいれば、結果を受けてのショックや危機感のようなものを原動力に変革が促されるタイプもいて、それぞれに合わせたサポートが重要だと思いました。

ブイクックチーム

 

スタートアップは、課題が未分化である

ー後半は、スタートアップにおける組織開発の課題についてブイクックの事例も参考に、お三方から意見を伺えればと思います。まず、ブイクックはサーベイ実施前からhalのサポートを受けていたのですよね。どのような経緯で依頼されたのでしょうか?

工藤:ブイクックは2020年4月に創業し、2021年2月ごろからスタートアップとして急成長させていこうという方針に変わりました。それまでは社員・役員は僕1人で他のメンバーは業務委託だったんですが、2021年4月ごろに社員が3人増えました。そこで、チームとして視座を揃えてできることを増やしていきたいと思いつつ、どのように制度や環境を整えていけばいいのかわからないという変革のタイミングで、halに相談をしました。

振り返ってみると当時は、採用、働き方、評価の3つにおいて悩んでいて、この悩みは幅広いスタートアップに一般化できるのではないかと思います。ブイクックではもともと、短期間でみんなで集中して1つの企画をやり切るというような働き方を採用していました。しかし、会社としてより成長するためにも、事業のロードマップを作り3ヶ月単位の注力する領域を決め、その目標に向けて複数のプロジェクトが進んでいくというプロジェクト制に変えたんです。そして、このプロジェクト制の働き方を実行する上で、採用したい人を明確にするために、インパクト評価という評価制度を作りました。制度を作るのも大変でしたが、さらに組織に適用していくのも大変という二重の難しさがあると感じました。

当時、採用、働き方、評価の制度を整えていくのが大変だったのは、他のスタートアップがどうしているのかわからないというのも1つの大きな原因だったと思います。そこで、halにサポートしてもらいながら、他社の事例を学んだり組織設計のプロに定石を教えてもらったりして、進めていきました。また、僕個人としては大学の先輩がやっているスタートアップで2週間ほどインターンをさせてもらって、他のスタートアップの雰囲気やスピード感を体感し、たくさん勉強させてもらいました。

 

ーここまでのお話を聞いていると、制度の導入や実施に関してはフェーズによって取り組むべきことが異なるようですね。halではどのようなサポートをしているのでしょうか?

山田:工藤くんの相談を受けてから具体的にやったこととしては、まず半年間メンバーに対して月1回のコーチングをしました。加えて、工藤くんとはバリュー策定や採用要件を一緒に考え、そこで考えたものをチームで調整するためのワークショップも行ないました。ワークショップでは、1人1人の視座を上げながらチームとして統合していくことをメインテーマに、個人のビジョンを作ったり、ブイクックの事業ロードマップに沿って自分の成長を考える個人ロードマップを作ったりしましたね。

中村和彦(2015)が作成した図によると、組織の課題は4つの領域に分かれており、組織開発では基本的に4つ目のヒューマンプロセスへの働きかけを用います。ヒューマンプロセスとは、コミュニケーション、意思決定、リーダーシップなどのことを指します。一方で、実際にブイクックに伴走して気づいたのは、特にスタートアップでは課題の出自が明確に分からない、つまり未分化であるということです。シード期のスタートアップは戦略、人材マネジメント、評価制度など全てが一緒くたになっています。そのため、いろんな領域を把握しながら、課題を正しく見立てて正しく介入するということが重要だと感じました。ブイクックの伴走では、最初は組織のことをなんでも聞ける顧問がいたらいいのにという相談から始まり、臨機応変に進めました。組織の課題が入り組んでいて未分化・未整理だからこそ、適切な人材を適切なタイミングで連れてきて、杓子定規ではない介入をすることが大事だと考えています。

図:中村和彦(2015)『入門 組織開発』より。カミングス・ウォーリー(2015)をもとに中村が改変

 

タカ:スタートアップでは課題が未分化であるというのは、私も感じます。できたての小さいチームでは、戦略を実行するために人を採用するということができないので、会社として目指す場所やそこまでの手段が、そのときにいる人のできることによって変わっていくんですよね。だからこそ、最初の手持ちのリソースでいかに強くなるか、いかに戦うかということを考えると、人やコミュニケーションの強化しか方法がない。この課題で悩むスタートアップはたくさんいるだろうなと思います。

 

—そう感じたのは、具体的にどのようなときですか?

タカ:talikiでは、柔軟性がないとかリスクを取ることへのハードルが高いという人はスキルが高くても採用することはなくて、カルチャーへの親和性の高さをとても大事にしています。その結果、カルチャーが合うからこそコミュニケーションが活性化されて、メンバー1人1人のスキルを引き出しやすくなるという状況が生まれると思うんです。例えば、talikiが応援しているある会社はエンジニアと創業者だけのチームなんですね。創業者は事業テーマにおける専門性は高いけどエンジニアリングのプロフェッショナルではないから、ハレーションが起きやすいはず。でも、全員がチームのカルチャーに合っているからこそお互いを信じて背中を預け合っている感があって、理想のケースだなと思います。

実際、スキルが高い人を採用しようと思うと採用コストがかなりかかるし、その後の人件費も高いです。でも、カルチャーへの親和性や創業者のマインドセットによって、今いるチームメンバーのスキルを引き出すことはできるのではないかなと思います。

halとブイクックのセッション

 

事業戦略と組織戦略

工藤:僕はhalの支援の中で、事業戦略と組織戦略の密接さに気がつきました。組織戦略というのは、僕個人がどういう組織にしたいかという個人的価値観ではなくて、会社の事業戦略から落として考える必要があるということです。例えば、ブイクックが持続的に利益を出し続けるために、ヴィーガン生活を支えるプロダクト群を長期的に運営していきたいと思っているんですが、そのためには事業責任者やプロダクトを作れる人が複数名必要になります。だから、今いるメンバーのプロダクトをつくる力を高めていく必要があるし、プロダクトマネジメントや事業開発ができる人を採用しないといけないという組織戦略に至るわけです。halに伴走してもらう中で、それまでになかった事業戦略から、理想の組織を設計する大切さに気がつけました。

事業戦略と組織戦略が切っても切り離せないものであると感じてから、プロダクトづくり、事業づくりの能力獲得を目指した評価軸を設定しました。それによって、メンバー自身もプロダクトを生み出して社会により大きな変化をもたらすために自分にとって必要な成長が何かということに納得して、業務に取り組んでくれています。具体的には、もともとエンジニアとして入ってくれたメンバーも自分で仮説を立て、ユーザーヒアリングをして課題を特定するところまで担当するようになりました。事業の成長と個人能力の成長を一致させることが、会社にとってもメンバーにとっても重要だと思います。

 

タカ:私の場合は、メンバー1人1人のスキルを伸ばすことに注力しすぎた結果、組織として同じ方向を向いていないのではないかと悩んだことがありました。そのときに、まず、組織全体として目指すべきところへより早く向かうためには1人1人が何を伸ばしたらいいのか、というすり合わせを評価制度などを通じて行なうことの大切さを感じました。加えて、その組織としての方向性と、1人1人のキャリアで目指したいところがずれるのであれば、talikiとは合わないということもきちんと伝えるべきだと思いました。私自身としても、それまではメンバーの中でずれが生じたときに、どうしたらそのずれが解消できるのかを一生懸命考えていたのですが、ちゃんと話し合った上でtalikiに合わないと伝えることができるようになりました。

 

山田:会社の方向性が明確に決まっているからこそ、ずれが認識できて、お互い離れる判断ができるんですね。

 

—先ほど、組織戦略を作った後に浸透させていくのも大変だったというお話がありましたが、組織に浸透させるために工夫されたことはありますか?

工藤:組織設計をする中でメンバーにたくさんヒアリングをして、意見を盛り込んだビフォーアフターのようなプレゼンを作りました。1人1人の価値観を整理しつつ、「今までの課題に居座り続けていないか」、「リソースが分散されているのではないか」など、組織の課題を明確にしたんです。加えて、プロジェクト制を含む新たな組織制度を導入することでどのような変化があるのかを伝えました。組織制度や働き方に大きな変化があるときは、メンバーに丁寧に伝えること大切だと思って実施したのですが、今振り返るともっと丁寧にやるべきだったという反省もあります。変化のタイミングでは、変化の背景や、新しい方法、それらの意図などをメンバーにすごく丁寧に伝えることが重要です。

 

山田:組織開発の基本的な考え方は、「人それぞれ経験が違うからこそ価値判断の前提や解釈、結論が異なる。1人1人の価値観を言語化し丁寧にコミュニケーションをとることで、深いレベルで合意形成がなされ、その結果実行可能性が高まる」というものです。ブイクックが実施した、これまでの価値観の前提にどのような刺激が加わりどう変化が起きるのかということをメンバーと合意形成しようとする試みは、まさにこの組織開発の考え方に沿った取り組みだなと思いました。

最後に、工藤くんの場合は、自己認知が高く偏見も少ないタイプだからこそ、サーベイの段階から楽しんで自分のことを理解しようとしていて、その後も組織変化に伴ったさまざまな工夫ができているんだろうなと思います。一方で、割と思い込みの強いタイプはやるべきことはわかっていても心理的にブレーキがかかりやすい。しかも、ブレーキがかかっていることに気がつけなかったり、ブレーキがあるとわかってもどう対処したらいいかわからないというケースがほとんどです。そういう人には、サーベイを受けていただくとブレーキがどこにあるのかを探る手がかりになりますし、その人の特性と事業や組織の成長の両面に寄り添ってサポートしていきたいと思っています。

 

リーダーシップサーベイ https://halcp.org/
hal株式会社 https://hal-dialog.co/
株式会社ブイクック https://www.vcook.co.jp/

 

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interviewer

細川ひかり

生粋の香川県民。ついにうどんを打てるようになった。大学では持続可能な地域経営について勉強しています。

 

writer

堂前ひいな

心理学を勉強する大学院生。好きなものは音楽とタイ料理と犬。実は創業時からtalikiにいる。