目指すはエシカル消費のリーディングカンパニー。社会課題を「無理なく、楽しく」解決できる社会をつくる。
Instagramで社会課題についての発信やエシカル商品の紹介投稿を行い、3.6万人のフォロワー(2022年3月現在)を抱えるアカウント『エシカルな暮らし』や、ゲーム感覚でゴミ拾いを楽しむイベント『清走中』を運営する株式会社Gab。ゴミのポイ捨てを0にするための事業で創業し、現在は「社会課題解決の敷居を極限まで下げる」というミッションを掲げて事業を展開する。先日三井不動産株式会社と協業し開催したポップアップについてや、これまでの事業で検証できたこと、今後の展望などを、代表の山内萌斗に聞いた。
【プロフィール】山内 萌斗(やまうち もえと)
株式会社Gab代表取締役CEO。2000年、静岡県浜松市生まれ。静岡大学情報学部行動情報学科2年次休学中。東京大学起業家育成プログラムEGDE-NEXT2018年度メンバー、同プログラムシリコンバレー研修選抜メンバー、MAKERS UNIVERSITY5期生。大学一年次の12月に「ポイ捨てをゼロにする。」ことをミッションに掲げて株式会社Gabを創業し、現在3期目。
現在、「【18歳の挑戦】ゲーム感覚ゴミ拾いイベント『清走中』を、全国に広めたい!」として、クラウドファンディングに挑戦中!詳細はこちら
もくじ
ゴミ箱設置事業MyGOMI.(マイゴミ)から転換
ー株式会社Gabの事業内容について教えてください。
まず2019年12月の創業時からの事業が、ポイ捨てがされやすい場所をデータ分析して、最適な場所に広告掲載可能なゴミ箱を置くMyGOMI.(マイゴミ)という事業です。「迷子」のゴミをユーザーから報告してもらって、データを蓄積するというコンセプトの事業になります。渋谷のポイ捨てがあまりに酷いことに気づき、ポイ捨てを0にするという大きな目標を掲げて始めました。ゴミ箱設置に向けて、大手企業と提携しながら進めていましたがなかなか上手くいかず、現在はデータの収集をしているのみになっています。
MyGOMI.で苦戦する中、転換するような形で生まれたのが『エシカルな暮らし』事業です。Instagramのアカウント『エシカルな暮らし』において、社会課題について誰でも分かりやすく理解できるような記事投稿と、社会課題の解決策となるような商品、エシカルアイテムの紹介投稿をしています。社会課題について知るだけでなく、実際に商品を購入できるようにすることで、多くの人が社会課題解決にアクセスできるように『エシカルな暮らしオンラインストア』も運営しています。また、フォロワーが3.6万人になってECサイトの売り上げも上がってきてたことで蓄積してきたインサイトをもとに、エシカルブランドに特化したポップアップストアの企画から運営もしています。先日は三井不動産株式会社の展開する『NEW POINT』とのコラボPOP UPストアを、渋谷・MIYASHITA PARK &BASEにて開催しました。
それから、ポイ捨て問題に向き合う中で、ゴミ箱の設置が難しいだけでなく、ゴミ箱があってもポイ捨てをする人は0にならないという結論に至りました。ポイ捨てを0にするためにゴミ箱を設置するという方法は最適解ではないと思ったのです。それで、みんながゴミ拾いをしたくなってしまうようなイベントを企画するという、発想の転換から生まれたのが『清走中』でした。参加者(逃走者)が限られたエリアの中でハンターから逃げながらミッションをこなしていく、人気テレビ番組『逃走中』とゴミ拾いを融合させたもので、LINEで送られてくるミッションをこなしながらゲーム感覚でゴミ拾いを楽しめるイベントです。過去に長野県で11回開催してきて、1回開催をすると150名くらいの参加者が集まるイベントに成長しました。
『清走中』開催時の様子
ーMyGOMI.を事業として成立させるのが難しかったのはどうしてだったのですか?
最初、ゴミ箱が街に少ないのは管理費用が嵩むからで、ゴミ箱を設置することでその土地がお金を生み出すような仕組みを作ればゴミ箱を増やすことができるのではないか、という発想からMyGOMI.事業をスタートさせました。実際に始めてみると分かった難しさが3つ存在しました。
1つは国の方針とズレがある点です。「回収のオペレーションを僕たちが担当するので、処理をお願いします」という形で行政に提案を行っていたのですが、協力を得ることが難しかったのです。背景として、1995年に地下鉄サリン事件があって、テロ対策の一環としてゴミ箱が一斉に撤去されていたということがありました。ゴミ箱が減った時期に、ゴミ箱がない街ではゴミ箱がある街と比べて、存在するゴミの総量が減ったという研究が発表されました*。ポイ捨てはあるのですが、ゴミ箱に捨てられたゴミとポイ捨てのゴミを合わせたゴミの総量は減っていたのです。それで行政がゴミを持ち帰るよう促す方針に転換していったんですね。現在も、国としての方針はゴミを持ち帰るよう促すということになっているので、方針に逆行するような事業は全面的に応援できないということでした。
*張允鍾・青木誠治・河合慎一郎・早瀬光司「市民公園におけるごみ箱の配置条件による散乱ごみの増減」『環境科学会誌』15巻1号(2002年)59〜66頁
街のゴミ箱が減少する中で、行政が唯一、ゴミ箱の設置を義務付けていたのが飲料の自動販売機の横でした。それで次は、自販機横のゴミ回収を担う飲料メーカーに対して営業を始めました。そこで2つ目と3つ目の困難に直面することになりました。
2つ目というのが、コロナ禍が始まった時期だったこともあり、屋外広告の需要が下がっていたということです。ゴミ箱を置いても、本当に回収費用分を確保することができ、収益を出すことができるのかという指摘を受けました。
また、本当は条例で定められていてゴミ箱は設置しなければいけないのですが、ゴミ箱が溢れるのを嫌がって設置しないオーナーも多いのです。メーカーが自販機のオーナーにゴミ箱の設置を義務付けた場合に、ゴミ箱を置くくらいなら自販機を撤去するというオーナーが出てきて短期の利益が減少する恐れがあったのが3つ目の困難でした。これら2つの理由から、飲料メーカーへの営業もうまくいきませんでした。
人類の存続に不可欠な事業を作る
ーMyGOMI.事業から、『エシカルな暮らし』事業に転換した際の、着想のきっかけを教えてください。
MyGOMI.事業で資金調達をしていたので、株主に対しての礼儀というところもあり、最後の最後までこの事業を諦めずに粘ろうと考えていました。ただ会社の資金が尽きそうなところまで来て、新しい取り組みをやる必要に迫られました。そこで今までの事業をやっている中で蓄積してきた、ゴミ問題やSDGsに関する知見を、多くの人にシェアできないかという話になったのです。
MyGOMI.事業も構想を考え直したことで、リサイクル素材を集めてユーザーが普段使えるアイテムにアップサイクルさせる、アップサイクルボックス設置の取り組みへと変化していました。この事業転換の過程で、途上国に大量に輸出されるプラスチックゴミの問題や、ゴミの山が崩壊して海に流れ込んでいる問題、その他様々な環境負荷といった社会課題に目を向ける機会が増えていったのです。またこの時期にMAKERS UNIVERSITYというコミュニティに参加したのですが、社会課題に対して取り組む人間が身近にいる環境に置かれて、他の社会課題領域についても実情を聞く機会が多くなりました。Gabを創業した時から人類の存続に必要不可欠な事業を作りたいということを考えていたので、事業をピボットするとしても社会課題を解決する事業を作ろうということをCOOの北川と話すようになりました。
また北川はSNSの運用が得意で、彼個人のTwitterアカウントでも、試行錯誤の末半年でフォロワー11,000人を達成しています。MyGOMI.事業の時は彼が力を発揮できるような役割を提供できなかったのですが、ピボットにあたって彼のスキルを最大限発揮できるSNSで何かできないかという議論をしました。それで社会課題に関して分かりやすく解説したものを発信したり、課題解決につながる商品を紹介していずれはECサイトで紹介した商品を売れる状態を作れたらいいだろうということを考えました。SNSは基本的に同じ領域でフォロワーを伸ばしている人がいない場合は伸ばせないのですが、Instagram上であればエシカル界隈のインフルエンサーがいることも分かりました。2021年の2月7日に『エシカルな暮らし』のInstagramアカウントを作って、北川に立ち上げを頑張ってもらい、僕はMyGOMI.事業の最後の粘りを続けていました。
ーアカウント運営の分担はどのようになっているのでしょうか?
2021年の6月中旬までは北川1人で運営して、どんな記事投稿や商品紹介が伸びるのかなどの仮説検証を行ってくれました。6月のタイミングで僕の手が空いたので、商品紹介投稿を担当するようになりました。2021年の10月からは、talikiのCOM-PJで出会った大野ひながGabの正社員として商品紹介投稿を引き継いでくれています。現在僕は、Instagramで培ったアセットを外部との協業に活用する営業の役割を担っています。今は北川が記事投稿、大野が商品紹介投稿、僕が営業という役割分担になっています。
ー紹介する商品はどのように選んでいますか?
最初は僕が選んでいましたが、今は僕と大野で収集してきた情報をもとに、掲載の判断は大野に任せています。
掲載の基準としては3つで、順序も大事です。①「デザイン性に優れていること」、②「感動体験があること」、③「誰を助けているかが明確であること」と明文化しています。デザインが良くなければ商品を手に取ろうと思ってもらえないし、購入しようと思ってもらえません。感動体験もとても大事で、それがあって初めて僕たちは全力でその商品をおすすめしたいと思えます。実際に買った後に「これ良くないじゃん」と思われたら二度と買ってもらえませんよね。そればかりか、「エシカル商品って最悪だよ」という評価が広まってしまうかもしれません。この2つの基準は商品として成り立つための大前提として、3番目の誰を助けているかはエシカル商品においてやはり大事です。エシカル商品は一般的な商品よりも価格が高いことがありますが、それには生産者に正当な賃金を支払っていたり、環境負荷の少ないこだわりの素材を使っていたりという背景があります。商品を買うことで、誰の助けになるのかをユーザーにしっかり訴求していくことが大事だと思っています。
この3つの基準を満たした商品は取り寄せて、2〜3日使ってみるようにしています。1回も僕たちが体験したことのないものは紹介できません。使ってみておすすめできる商品であれば、ブランド側に「仕入れをさせてください」「最初は仕入れなしで、歩合制でECサイトに商品の掲載をさせてください」などの形で提案をさせていただいています。
自社ノウハウをシェアして、販売チャネルを外にも作る
ーどんな人が商品を購入されていますか?
95%の人がInstagramから流入していて、Instagramのデータでは30代周辺の女性が83%です。実際の声としては、自分が結婚や出産を機に健康というトピックに対して関心を持つようになったことから派生してエシカルというトピックにも関心を持ったというものが多いです。初めはオーガニックの商品に興味を持って、コスメや食品などでオーガニックのものを取り入れるようになる。オーガニックから派生して環境問題解決に関心を持って、エシカルという言葉にたどり着く。「マイボトルを持ってみようかな」「服もオーガニックコットンにしてみようかな」という形で広がっていった、という声はよく聞きますね。
ー発信を行う上で気をつけていることはありますか?
ニュートラルな立場を心がけています。僕らが「社会課題解決の敷居を極限まで下げる」というミッションを掲げているところにも接続するのですが、「こうじゃないとダメだ」とか、「社会課題に取り組んでいないことは悪だ」とか言われると怖いですよね。楽しそうに取り組んでいる人の真似をしたいと思うのが普通だと思うので、極論みたいなことは絶対に言わないようにしています。具体的な内容としては「少しでも取り組めた自分を加点方式で認めていこう」というように、敷居を下げて「できることから取り組もう」と思える発信にしていて、幅広い方にフォローしていただけていると思います。
それから、エシカルという言葉に人それぞれの解釈があるという点には配慮しています。商品によっては、「それは本当にエシカルなのか」というようなコメントが届いたこともありました。社会課題は複数の領域に存在し、全てを1つの商品で同時に解決するのは難しいので、どんな点でその商品がエシカルだと考えているのかしっかり伝えて発信をしています。
ー『エシカルな暮らし』事業の強みはどんなところですか?
ECサイト単体だけでなく、ビジネスモデル自体を工夫している点です。『エシカルな暮らしオンラインストア』はあくまで1コンテンツで、他にもSNS運用で培ったノウハウを他社に提供してECやInstagramの裏側を担当させていただくことで、販売チャネルを外にも作るということをやっているんです。エシカルブランドさんには、弊社ECで販売するだけでなく、僕たちが裏側を担当している他社のECでも販売することも提案させていただくことができるようになります。もっとチャネルが増えれば僕たちはエシカル商品の流通における卸売のような役割になり、Gabと取引さえしていれば商品がしっかりと必要な人に届く。売れる量を確保できればブランドさんは質を高める方に専念できますから、メリットを感じていただけると思います。
初挑戦で感じた、ポップアップの可能性
ー2021年12月から2022年1月にかけて開催された、三井不動産株式会社とのコラボPOP UPストアについてお聞きします。どのように提携が始まったんでしょうか?
三井不動産さんの展開する新規事業『NEW POINT』への協力という形で始まりました。D2Cブランドと新たなお客さんとの接点を作るというコンセプトで、毎回テーマを決めてマッチするブランドをセレクトし、人を集客する事業です。NEW POINTにおいてこれまで検証できていなかったテーマの中にエシカル商品がありました。エシカル商品をまとめたコンセプトでイベントを開催した場合本当に人が集まるのか、NEWPOINTのInstagramがどのくらい伸びるのか、仮に3万人近いフォロワーになった時にどのくらいのUGC*が増加して、売上が立つのかといった検証をする必要があったようです。
*UGC(User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ)・・・ユーザーによって制作・生成されたコンテンツの総称。SNS、ブログ、動画投稿サイトなどのサイトに投稿されたコンテンツや、コンテンツにつけられたコメントなども含む。ここではポップアップ来場者が、会場の様子をInstagramのストーリーズ機能などでシェアすること。
11月の前半に依頼を受けて、12月前半までリサーチをしたところ、Instagramでエシカル系アカウントは伸びる見込みが高いことが分かってきました。12月5日に最終的なレポートを出したところ三井不動産さんの担当者さんも満足してくださりました。それで、13日後の12月18日からMIYASHITA PARKの場所が空いているので、実際に出店してみないかという提案をいただいたのです。13日間でブランドをセレクトして、企画を考えて、集客の投稿もしなければいけませんでしたが、エシカル界隈でポジションを獲得するなら今しかないと思いました。チームメンバーにも「給与は倍払うから、やろう」と伝えて、何回も徹夜しながら当日まで準備を進めていきました。リリース後も僕は毎日店頭に立って、初めての接客に戸惑いつつも、お客さんとひたすらコミュニケーションを取るという開催期間でした。
ーリアル店舗の運営で難しかったことはありますか?
今回はボランティアスタッフでできて良かったのですが、普通なら人件費がかかるし、Instagramアカウントの方もオフラインの集客に最適化した運営をしていなかったのでこのやり方でいいのかという葛藤もありました。通りがかりの人に店内に入ってもらえるようにインセンティブ設計をする必要もあって、本当に考える要素が多いと感じましたね。また今回は無料で場所をお借りできましたが、普通のポップアップなら賃料を前払いする必要もあるので、行うべきリスクテイクも大きくてハードルが高いことも分かりました。
ーポップアップを開催して、これからの『エシカルな暮らし』事業の方向性に何か影響はありましたか?
来店された方の1440人の方のうち、8割の1150人くらいが『エシカルな暮らし』Instagramアカウントのフォロワーの方でした。それで売り上げは普段のECの5倍くらいになっていました。フォロワーの方たちはリアルに商品を見ることができる場所を渇望していたんです。多くの人がエシカル商品を見たことも触ったこともない状態で、Instagramでの情報発信で見せて売るということはハードルが高いのだな、ということを感じました。なので、今後ポップアップなどでオフラインの接点を増やすことを目標にすることにしました。
『清走中』を全国、そして世界へ
ー『清走中』事業はどのようなビジネスモデルで運用されているんでしょうか?
スポンサーモデルで運用しています。1回開催すると150人くらい人が集まるので、現地のパンフレットやWebサイト、アイキャッチにロゴを入れることで認知獲得につなげていただき、代わりに費用をいただいてイベントを開催しています。
ー現在クラウドファンディングに挑戦中とのことですが、挑戦することにした理由は何ですか?
全国展開を目指したいということで挑戦を決めました。長野県ではコネクションができてきて、毎回スポンサーについていただけているのですが、他の場所で開催するにあたってスポンサーを見つけられるかどうかが分からないという懸念があります。それで自己資金を集めて、体制を整えてから全国展開をやっていければと考えました。
ークラウドファンディング以降はどのような展開を考えていますか?
まずは各県1カ所での開催を目指します。検証結果次第では更に拠点数を増やしていきたいと思っていますし、最終的には世界で戦えるようなゴミ拾いイベントにしたい。日本は世界的に見てもゴミの少ない綺麗な国で、海外ならもっと街にゴミが多いところもありますからね。『清走中』が日本で盛り上がっているという話題が世界に広まって、アメリカでも中国でもやりたいという声が上がって、世界中でみんなが楽しめる外遊びゲームのようになっていくことを目指しています。
社会課題が自然に解決されていく社会構造を目指して
ー今後ポイ捨て問題や、その他社会課題の解決に取り組んでいくにあたって、どのように進めていくのか、またどんな状態になれば課題が解決されたと言えると考えているか教えてください。
ポイ捨てに限らず、ゴミ問題の根底には大量生産・大量消費の構造があり、無意識のうちに課題の発生に加担してしまっているのが問題なのだと思います。商品の作り方、構造的な課題、販売方法などを変えなければ問題は解決されません。『エシカルな暮らし』で紹介するエシカル商品にはゴミからできた商品やそもそもゴミを出さない商品があり、どれも本質的な課題解決につながっています。僕たちがそれら商品を多くの人に届けて、初期の市場からマス層へ広げていくことができれば、一気に需要が広がっていくのではないかと思っています。エシカル商品が広がった時に色々な企業が「エシカルな商品しか売れなくなりそうだ」と思ってくれればいい。消費者を盛り上げることで企業側を変えて、将来的には消費の構造そのものを変えてしまうような存在でありたいと考えています。
『清走中』も、『エシカルな暮らし』との2軸でしっかりやっていこうと思っています。まずはイベントとしてしっかりと社会に定着させたいと思っています。最終的には、僕たちがイベントを開催しなくても、Webサイトにログインすれば誰でも街中でゴミ拾いを楽しめる状態が理想です。誰もが楽しめるゲームコンテンツのような形でゴミ拾いをする社会になって、ゴミがゴミでなくゲームを楽しむためのアイテムという認識に変わるくらいの変化を起こせれば、ゴミのポイ捨て問題は解決したと言っていいでしょうね。
ー課題が解決された状態を実現するために、どのようなロードマップや展望を考えていますか?
『エシカルな暮らし』事業では、エシカル消費の情報収集プラットフォームとして情報や商品をとにかく集めていきます。かつ、プラットフォームとしての知見は独占するのではなく、SNSやECのコンサルやプロデュースという形で広くシェアしていきます。また実は、世界を代表するD2Cエシカルブランドを運営するという目標もあります。『エシカルな暮らし』を運営し、外に関連チャネルを作っていることも、自分たちのブランドを広めていく際の伏線にしたい。今は自分たちの商品で世界をより良くするための、土壌を作っているところなのです。D2Cの先、最後に目指すのは、エシカル消費のリーディングカンパニーです。影響力を持って、他の企業にも「こんな商品や社会を作っていこう」と働きかけていきたいです。
「社会課題解決の敷居を極限まで下げる」という目標を掲げていますが、敷居が極限まで下がった状態というのは、自分の好きなように生きていれば勝手に社会課題解決に貢献できている状態だと思うんです。個人の社会課題解決への意識を変えるという方法もありますが、ある人の意識が変わってもまた次の人を変えなければいけないので、労働集約的で現実的ではない。それよりも仕組みで社会が変わっていくような、拡大生産的な方法で社会課題解決を実現したいのです。企業や社会を変え、各々が消費活動をしているだけで、自然と社会課題が解決されていくような状態を作りたいです。
株式会社Gab https://www.gab.tokyo/
『エシカルな暮らし』Instagramアカウント https://www.instagram.com/ethical_life_official/
清走中 https://www.seisouchu.com/
interviewer
梅田郁美
和を以って貴しと爲し忤ふこと無きを宗と爲す。
猫になりたい。
writer
掛川悠矢
記事を書いて社会起業家を応援したい大学生。サウナにハマっていて、将来は自宅にサウナを置きたいと思っている。
関連する記事
社会課題に取り組む起業家のこだわりを届ける。
ソーシャルビジネスの最新情報が届くtalikiのメルマガに登録しませんか?