【8/5締め切り】手足を動かして
ビジネスの本質を学ぶ。

走る前に考えよう、メロス

私が若手社会人だった頃、上司から「仕事のできる人は走りながら考える」と聞きました。

社会人になりてての頃は初めてのことばかり。ある時には他部署や社外の人に連絡をとり調整をしたり、またある時には勉強と違って正解のない最適解を求める施策を打ち、修正するなどの仕事をします。

ビジネスの世界では、絶対的な〇×の正解は消滅し全てのものが暫定的な最適解となり、戦いの規模も個人ではなく組織戦となり、目標は大きくなり、自分だけで頑張る事はむしろ何の役にも立たなくなり、真似やカンニング大歓迎の世界で、会社という集団で仕事を進めていきます。

自分が担当となった業務で立ち止まった時、解決策を一人の脳みそで考えて手を止めて時にネットで調べるよりも、あらゆるネットワークを使って成果につながる情報を知っている人から生の情報を直接聞いてしまったほうが断然早いことがあります。

そういう点でも、「走りながら考える」事は、答えのないビジネスの世界では「計画をするだけで何も動かないよりは、まず動き、修正しながらでもビジネスゴールに近づく方が仕事が早く進む」という意味で大事にされています。

一方で、考えずに走るとどうなるのでしょうか?

ところで太宰治の不朽の名作「走れメロス」は読んだことのある人が多いでしょう。
メロスは走ることで有名になった主人公です。実際に走りながら色んな事を回顧しています。しかし、もし私が彼に言えることがあるとすれば、「走る前に考えろ」という事だったので、彼の行動をおさらいしながら、メロスを反面教師として考えることを一緒に学んでいきましょう。

あらすじ(参照:Wikipedia)

純朴な羊飼いの青年メロスは、16歳になる妹の結婚のために必要な品々を買い求めにシラクスの町を訪れたが、町の様子がひどく暗く落ち込んでいることを不審に思い、老人に何が起きているのかを問う。

そしてその原因である、人間不信のために多くの人を処刑している暴君ディオニス王(ディオニュシオス1世)の話を聞き、激怒する。メロスは王の暗殺を決意して王城に侵入するが、あえなく衛兵に捕らえられ、王のもとに引き出される。

人間など私欲の塊だ、信じられぬ、と断言する王にメロスは、人を疑うのは恥ずべきだと真っ向から反論する。当然処刑されることになるが、メロスはシラクスで石工をしている竹馬の友で親友のセリヌンティウスを人質として王のもとにとどめおくのを条件に、妹の結婚式をとり行なうため3日後の日没までの猶予を願う。

王はメロスを信じず、死ぬために再び戻って来るはずはないと考えるが、セリヌンティウスを処刑して人を信じることの馬鹿らしさを証明してやる、との思惑でそれを許した。王城に召されたセリヌンティウスはメロスの願いを快諾し、縄を打たれる。

メロスは急いで村に帰り、誰にも真実を言わず妹の結婚式を急ぎ、夫を信じて誠心誠意尽くすように言い含め、式を無事に終えると3日目の朝早くに、王宮に向けて走り出す。難なく夕刻までに到着するつもりが、川の氾濫による橋の流失や山賊の襲来など度重なる不運に出遭う。濁流の川を懸命に泳ぎ切り、山賊を打ち倒して必死に駆けるが、無理を重ねたメロスはそのために心身ともに疲労困憊して倒れ込み、一度は王のもとに戻ることをあきらめかける。セリヌンティウスを裏切って逃げてやろうかとも思う。しかし、近くの岩の隙間から湧き出てきた清水を飲み、疲労回復とともに義務遂行の希望が生まれ、再び走り出す。人間不信の王を見返すために、自分を信じて疑わない友人の命を救うために、そして自分の命を捧げるために。

こうしてメロスは全力で、体力の限界まで達するほどに走り続け、日没直前、今まさにセリヌンティウスが磔にされようとするところに到着し、約束を果たす。セリヌンティウスに、ただ1度だけ裏切ろうとしたことを告げて詫び、セリヌンティウスも1度だけメロスを疑ったことを告げて詫びる。そして、彼らの真の友情を見た王は改心し、2人を釈放する。

絵:辺境

考えようポイント①王の暗殺を決意する

シラクスの街にいた通りすがりの老人に、町がひっそりとしている理由を聞き、メロスは激怒し、王様の暗殺を決意します。

💡考えようメロス💡
メロスは冷静さを欠いています。
サンプル数=1の意見を受け容れてしまってはいけません。しかも通りすがりの老人の話であり、一次情報かどうかも不明です。そのような情報に対して激怒し暗殺を決意するのは非常におっちょこちょいと言えます。関係筋や情報通に事実確認を取り、事実を踏まえて行動を起こさないと間違った行動になる可能性があります。

考えようポイント②親友セリヌンティウスを人質にする

メロスは王様から三日間の猶予を与えられますが、2年も会っていない親友セリヌンティウスを事前のすり合わせや確認なく、勝手に人質にしてしまいます。

💡考えようメロス💡
メロスは傲慢です。
自分は三日間の間に妹の結婚式をどうにか挙げ終えて、処刑上に戻ってくる中でセリヌンティウスを使います。しかしセリヌンティウスの直近三日間のスケジュールに関しては、まるで考慮していません。現代でいえば、同僚に「明日から三日間は拘束。俺は妹の結婚式!あなたの他の予定はどうにかして」と不意に言われたら、どう思うでしょうか。私ならばとても嫌な感情が出てしまいます。反面教師にして謙虚に生きたいですね。

考えようポイント③妹の結婚式を無理やり上げる

妹の結婚式の際に、新郎サイドの準備が全くできていないことを完全に無視して無理やり結婚式を挙げてしまいます。

💡考えようメロス💡
メロスは想像力が著しく欠如しています。
あと三日で処刑される自分の目的を遂行するためには至極正しい方法かもしれませんが、新郎サイドも準備不足。しかも一生に一度の結婚式。それを、新婦の兄の事情で(しかも事情を伝えずに)一夜話して粘って結婚式の開催を翌日にしてしまいます。私ならばメロスの他の行いも冷静にヒアリングしたうえで、これをやられたら、メロスの方が暴君では?と心の中で思ってしまいます。

考えようポイント④処刑ギリギリに到着する

メロスは王とセリヌンティウスのいる王城に、期限ぎりぎりに到着します。
すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆきます。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、なんとか間に合います。

💡考えようメロス💡
メロスは段取りが出来ません。
シラクスの街に向かうまでに、川の氾濫により濁流の川を泳ぎ山賊に襲われそうになりますが、工程で何が起こるかわからない中で、リスク管理を最初からしておくべきでした。例えば出発時間を早めるなど。そして既に疲れ切ってしまうことも想定せずに途中で寝てしまいます。何とか間に合うだろう、と思っていても、この行動はさすがにないですよね。段取り八分(仕上げは二分)と言われることはありますが、段取りをせずに走り出してしまうのは、(セリヌンティウスの心情としても)非常に良くない事が分かります。

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考えすぎて行動をしない、ではビジネスは回りません。何事も行動をして修正をしていくのが大事です。しかし、PDCAのPlan(計画)が欠如したDo(行動)は、チェックも改善もできないのでPDCAサイクルが回りません。

従って、行動あるのみですが、大前提として計画を立てて、PDCAサイクルを回していきましょう。

 

書き手:辺境


大手IT企業で海外事業の経営企画・経営管理を8年勤めたのち、マーケティング系スタートアップにてバックオフィス全般を担当し、その後talikiにジョイン。世界一過酷なレースと呼ばれるサハラマラソン完走したほか、キリマンジャロ山登頂、ソマリランド訪問や南極訪問をしてきたアウトドア派。に見せかけて実はインドア。ドゴン族、読書、料理が好き。