「ウサギとカメ」で顕在化したカメの知性
コラム

「ウサギとカメ」で顕在化したカメの知性

2020-06-17
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あなたは仕事やプライベートでこんな目標を設定していませんか?

・高すぎる目標を掲げてしまい、達成ができないから早速やる気が出ない
・達成ができる目標を掲げるものの、目標達成しても目的が達成されない

「ウサギとカメ」を読んでいたら、ふと、カメは知性が優れている事に気づいてしまった。ので、あらすじとポイントをまとめた記事を書きました。メインの対象は目標設定をする全ての方としました。

あらすじ(出典:Wikipedia)

ある時、ウサギに歩みの鈍さをバカにされたカメは、山のふもとまでかけっこの勝負を挑んだ。かけっこを始めると予想通りウサギはどんどん先へ行き、とうとうカメが見えなくなってしまった。ウサギは少しカメを待とうと余裕綽々で居眠りを始めた。その間にカメは着実に進み、ウサギが目を覚ましたとき見たものは、山のふもとのゴールで大喜びをするカメの姿であった。

教訓(出典:Wikipedia)
過信(自信過剰)して思い上がり油断をすると物事を逃してしまう。 また、能力が弱く、歩みが遅くとも、脇道にそれず、着実に真っ直ぐ進むことで、最終的に大きな成果を得ることができる。

しかし、目標設定とPDCAを繰り返す社会人になってこの本を読み直すと全然違った観点で受け取ることができる。
その観点とは「目標設定力」だ。

目標設定力

カメ目線に立つとよくわかるのだが、よくよく見るとこの勝負はカメがウサギに対して挑んでいる。従って、大どんでん返しが起きた話ではなくて、勝負の提案をしたカメの目標設定力が優れている話であると理解して頂きたい。

このカメは、自身の足の遅さと着実さを認識していたと同時に、競争相手は目標を忘れる(=途中で居眠りを始めてしまう)タイプのウサギのことも察知していた。
結論として、「長距離走ならば、ウサギに勝てる!」とひらめいた。

カメが一番恐れたのは勝負を挑んだ時だっただろう。
仮に、ウサギ側から短距離走に変更する提案の修正や最大速度(メートル毎秒)計測による勝利条件変更などを持ち出されたら、勝利できなくなるからだ。足が遅い事をバカにされた立場として、さらにバカにされるような勝負になってしまっては面目丸つぶれで困るのだ!

しかし、カメは提案をした。
これは仮説であるが、カメの提案が飲み込まれるのも、カメには読めていたかもしれない。ウサギは「カメの歩みの鈍さをバカにする」程度の思慮の浅いウサギなのだから。

カメの提案は合意された。
カメは心をなでおろした。この時点で勝ちが決まった。
※もちろん、現時点ではウサギが途中で起きてしまうリスクを孕むが。

いざ勝負。ウサギは居眠りをはじめ、カメは歩き続けて勝利した。
結果、カメの心の内に秘めた「損なわれた自己肯定感を取り戻す」目的も達成された。

絵:辺境

 

カメのケースでは目標設定が優れていたため、目標と目的の両方を達成した。
では、目標設定が優れていないというのはどういうことなのだろうか?「ダイエット」を例えに見ていこう。

目標設定の失敗ケース:ダイエットの例

健康診断一か月前からダイエットをする人は沢山いるだろう(僕は毎年そうだ)。
さらに、友人や同僚にも宣言をしてしまう人も多いだろう(いつもそうだ)。
しかし、何もしないまま時は経ち、気づけば健康診断前日。痩せるためにサウナに行き、夜に下剤を飲んだ人もいるだろう(多くはないだろうが、僕は必ずそうだった)。

健康診断本番。体重の数値目標は達成。友人からは焼肉まで奢ってもらえた。
しかし、健康になるという目的に一ミリも近づくことはできなかった。

これは「目標設定」が絶望的に間違っていたケースだ。ビジネス用語でいえば、KGIとKPIが繋がっていなかったケースともいえる。

正しくは、下記のように設定しておけば、間違ったダイエットをせずに済んだ。
目的:適正体重・体脂肪率にし、健康を維持する
目標:体重○%、体脂肪率○pt落とす、睡眠時間○時間、等
方針:カロリー摂取減少・カロリー燃焼増加(燃焼効率増加含)
具体的なアクションプラン:おにぎりを減らす、駅一駅分多く歩く、等

終わりに

「ウサギとカメ」の逸話をビジネス風に捉えると、自分や他人の特徴を鑑みた目標設定がキモだということがわかった。ダイエットの事例からは、目標設定の際には、目的と繋がっているのかを考慮することが事が大事だと示した。

個人や法人にも、それぞれの特徴や強みがある。制約条件下の中で、自分の特徴を見出し、特徴を活かした適切な目標を設定し、アクションプランまで落とし込み、達成し可能性を広げていくことで、実現したい目的に近づいて行きたい。

 

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    書き手:辺境


    大手IT企業で海外事業の経営企画・経営管理を8年勤めたのち、マーケティング系スタートアップにてバックオフィス全般を担当し、その後talikiにジョイン。世界一過酷なレースと呼ばれるサハラマラソン完走したほか、キリマンジャロ山登頂、ソマリランド訪問や南極訪問をしてきたアウトドア派。に見せかけて実はインドア。ドゴン族、読書、料理が好き。

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