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僕たちが就活に殺意を抱いた理由

taliki編集部 2018年6月1日
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就職活動を理由に命を落とす人がいると聞いても、私は全く驚かなかった。

そうだよね、死にたくなるよね、と普通に思ったからだ。

就活ごときで、と人は言うかもしれない。

しかし、就活をしているとそんなこと微塵も思えなくなる。精神的に彼らを追い詰める要素が、就活に詰まりすぎているのである。

 

「就活殺したい」

 

そんなことを呟く就活生たち。

就活の何に殺意が湧くのか聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。

1.早期内定・大手や有名企業への内定を煽ってくる。

 就活系のサービスから「みんなもう申し込んでいます」「このままだと内定0かも」という煽り文が書かれたメールが送られてくるらしい。

 早く内定を貰うことや、大手や有名な会社に就職するのがいいことだ、と恒常的に送るメールで刷り込む。就活ポータルサイトは集客に夢中で、学生の不安を煽り追い詰めることでビジネスを成り立たせているのだろうか。

 

2.人事の視座

 どれだけ綺麗事を並べたとしても、人事と学生の立場は「選ぶ側」と「選ばれる側」になる。人間は人間をジャッジする立場になると、突然自分が優れているように感じてしまうものだ。そんな面接の場は「スタンフォード監獄実験」を想起させる。

また、思慮深い子や内向的な子は、面接という場が得意ではなかったりする。そんな彼らでも確実に必要とされるポストはある上に、この世の人間全員元気で明るくて爽やかなはずがない。学生に演技を強いる空気感をつくり、媚びさせるあの面接空間は誰のためにあるのだろうか

 

※スタンフォード監獄実験…普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験。

被験者を看守役と受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるということが証明された。

 

3.何がダメだったのか企業は教えてくれない

 企業は落ちた学生に一方的に祈るだけである。確かにいちいち理由を伝えていては工数がかかるし、伝え方を間違えると企業のブランディングが落ちる可能性もあるが、祈られた側は「私という人間がまるまるダメなんかな」という気持ちになってくる。企業としては毎日開催される合コンでたまたま正面にいた子と合わなかった、くらいのテンションなのかもしれないが、就活生からしてみたら人生をかけたお見合いに出向いたら断られた、というような気持ちになるのも無理はない。

 

他にも「地方学生は金かかりすぎ」「親に申し訳なくなってくる」「就活生同士で競い合う空気がしんどい」「なんやねん女子就活生メイク講座って」など様々なものが挙がった。

今の就活を取り巻く現状は、彼らに「自分は価値がない人間なんだ」と思わせ、命を奪うには十分すぎるくらいの要素に溢れている

 

では、どうしたら良いのか?

正直分からない。

労働集約型のビジネスは機械化されていき、1人1人の特性や得意分野を掛け算にして活かし多様性の中で働く時代になってきた。その中で同じスーツ、同じ髪型、同じパーソナリティーを強要し、内定の数や早さで競わせるような新卒採用のあり方が、今の社会に合っていないことだけは分かる。

就活生には、就活以外の選択肢がこの世には沢山あることを知っていてほしい。そして、”就活”という武装した状態でお見合いのように始めるのではなく、緩やかに様々な会社と接触し、人事や学生という区切りなくフラットに自分の次のキャリアを決められるような場がもっと提供されるべきであるのだ。

 

talikiのやってること

そんな中、talikiでは実験的に就活中の学生と会社や働くということをもっと身近に感じられるような機会提供をしている。

たとえば、pizza

企業の人と学生たちが学年関係なくただピザを食べて団らんするというものだ。あえてトピックは設定しなかった。

学生が学生生活の中のできるだけ早い段階で、カジュアルに社会人と関われる機会を作り出し、「人事も社会人も学生と変わらない殴ったら死ぬ人間である」ということを分かってもらうことで、就職活動に関わるストレスや不安を解消したいと考えていた。

 

実際に参加した学生からは「企業の方の話ってあまり聞いたことはなかったけど、普通に面白かった」などの声が聞けた。

また企業の方からも「個性的な子が多くて楽しかった」「学生と話す機会はあまりないが、彼らの気持ちがよくわかった」と仰っていた。

 

そしてStartupゼミ

https://www.facebook.com/events/1509361532523954/

「将来IT関連で起業したい」「就職したらIT系の事業を作りたい」という思いを持った人向けのイベントだが、このイベントのコンセプトは「就職でも起業でもいいんじゃない、自分の興味あることを自分に合ったスタイルでやるためにどっちがいいか考えてみよう」というスタンスで開催している。

 

さらに617日(日)に開催するBEYOND2.0https://www.beyond2nd.com/では、「就活生割」というのを実施している。自分のやりたいことや生き方が分からないという就活生にこそ来てもらいたいと考えている。起業した人、NPOで働く人、企業で働く人、個人事業で生計を立てる人など様々な立場の人と触れ合い、様々な事業を知り、生きていくための選択肢を広げることで「焦りを感じなくても大丈夫だ」と思ってもらう為である。

 

就職なんていつでも出来る

この記事を書いている私も数年前は就活生だった。

自分はどこにも受からないんじゃないか、自分は働くのが向いてないんじゃないか、と思い詰めたこともあるし、面接官に「ミスマッチだと思うんですけど」と面と向かって言われたこともある(その時は一生懸命反論したが、一生懸命反論している時点でミスマッチなのではないかと今は思う)。私の場合、終盤になって受けたいくつかの会社の面接で「ああ、合うな」と今まで感じたことのない感覚を味わいそのまま内定を貰い、就活を終えた。

しかし人生は分からないもので、最終的には頂いた内定を全て辞退してしまった。

社会人になって、就活生時代には全く知らなかった素敵な会社や働き方や生き方がこの世にはごまんとあることを知った。

今は自分の会社を立ち上げ、あり得ないぐらい薄給で働いているが、自分の好きな仕事ができ、自分の好きな時間に出勤でき、自分の好きな人と上下関係なく働くことができ、毎日割と幸せに暮らしている。むしろ「なぜこんな性格の自分が会社員として働けると思っていたんだろう…なぜその生き方がベターだと思っていたんだろう…」と不思議に思うほどである。(ちなみに弊社には会社を一ヶ月で退職したニートや、有給消化中の半ニートや、「仕事をやめたい」と相談してくる新社会人などが訪れ、ゆるゆると業務を手伝ってくれたりしている)

そういう訳で、就活に苦しむ全ての人達に伝えたい。

大学生のうちに内定をもらう就職が全てではない。

受かったって受からなかったってあなたが歩んできた人生の尊さは変わらない。たまたまその会社と合わなかっただけであり、あなたの良さが発揮される環境がその会社や就活という枠組みではなかっただけで、違う道(個人事業主とか、フリーランスとか、起業家とか、ヒモとか、旅人とか)の方がよりイキイキできる可能性がある。

「就活向いてない」人は会社も向いていない可能性があり、むしろ新しい人生の楽しみを模索するチャンスともいえる。あなたは何も悪くない。だから、自分を責めないで。誰かが勝手に決めた風潮に乗れなかっただけで悲しまないで。

 

語り手:中村多伽

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