【taliki編集長より】メリークリスマス
大学1年のとき、わたしは「現代の差別を考える」という授業を履修しており、
その中で部落差別についても学んだ。
わたしの出身地である徳島県は、全国的に見ても比較的部落差別問題を学校で教えるほうだった。だからわたしは大学で教わる前から部落差別の存在を知っていたし、みんなそういう差別があることは知っていて、いけないものだと認識しているのだと思っていた。
ほかの学生が「学校で習った記憶がない」と話しているのを聞いて、少し驚いた。
『人の世に熱あれ、人間に光あれ』
1922年、京都の岡崎公会堂で被差別部落民による全国水平社の創立が高らかに宣言されてから、もうすぐ100年が経とうとしている。
しかし、時間が経ったからといって、部落差別がなくなったわけではない。
2000年以降にも、部落差別に関する事件や裁判は起きている。
2011年にはある司法書士が戸籍謄本を不正に取得して、部落出身かどうかの身元調査をしていたことが発覚している。
大学で部落差別について学んだとき、教授が「『部落差別というものがあるってわざわざ教えるから差別はなくならないんだ、教えなければ勝手に忘れられていくのに』という言説(寝た子を起こすな論)がある」と言っていたけれども、
学校で教えなくたって、部落差別は残り続けると思う。
部落と呼ばれる地域は、見た目はほかの地域となんら変わりない。
それでも、部落という言葉が残ってしまうのは、「あそこは部落だ」という人間の意識がいつまでも残っていて、その意識を差別という行為に表してしまう人がいるからだ。
ほかの地域となんら変わりのない場所をそうやって区別して、自分より下の人たちだと見下したがる。
人間とはなんと悲しくて愚かな生き物なんだろうと思う。
差別はなくならない。
部落差別だけではない。
性差別も、障害のある人々に対する差別も、外国人に対する差別もなくならない。
児童虐待もなくならない。戦争もなくならない。貧困もなくならない。
今日もまたひとり、ひとりと、こうしている間に命が消えていく。
人間は無力だ。
世界は変わらない。
地球に人間が生まれてからもう相当時間が経ったはずなのに、ずっと前からある問題がいつまでもいつまでもなくならずに残っている。
そうしているうちに、また新しい問題が生まれる。
人間がいる限り社会問題はなくならない。
この世は地獄だ。
それでも、こんな地獄に生まれてきてしまったあなたに、少しでも「生きててよかった」と思ってもらいたくて、
わたしたちはtalikiを立ち上げました。
talikiのことを知ってほしくて、12月1日から今日まで毎日記事をお届けしてきました。
人間は自分勝手で愚かな生き物で、この世は苦しみに満ちていて、
それでも、「生きていてよかったなあ」と思ったことのあるわたしたちは、
あなたにも同じ思いを持ってもらいたいし、今どこかで苦しんでいる誰かにもそう思ってもらいたいのです。
そんな大層なことができるのか?と思われるかもしれません。でも、わたしたちは本気です。
人間を救えるのは人間だけ。
できると信じています。
でも、この地球上に住んでいるすべての人々を救うには、
わたしたちの力だけでは到底及びません。
あなたの力が必要です。
どうか力を貸してください。
といっても、大したことはしなくていいんです。
あなたが楽しく、
幸せになりながら、
誰かを幸せにできるように、
わたしたちはこれから走り続けます。
2017年talikiアドベントカレンダー、これにて終了です。
読んでくださった皆様、ありがとうございました。
どうかこれからも、応援のほどよろしくお願い申し上げます。
2017年12月25日 talikiメディア編集長
川真田夕起
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