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はちみつで地球を守る?!ネパールでの「協働」による環境保全とは?

taliki編集部 2017年7月22日
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はちみつ専門店ハニールネッサンスは、ネパールにて植樹活動を行い、そこで生産されたはちみつを日本で売っています。

美味しいはちみつを食べることが、環境問題の解決に寄与するというシンプルで温かいコンセプトのもと、どのような思いで活動しているのか?

ハニールネッサンス代表の米川さまにお話を伺ってきました!

はちみつで地球を守るグローバルパートナシップ

ハニールネッサンスとは、「ハチミツによる花と緑の再生」を表現しています。

ハチミツを通じてならば、とても自然な流れで世界に散らばる人々がそれぞれの土地に樹木を植え、 育てていくと言うグローバル環境保全ができることを伝えていきたいと思っています。

それは、ハチミツを生産する人と、それを買い販売する人が樹を守り育てるという意識と目的を共有し、 花の咲く樹木などを植えていくことを通して実現していきます。

そして、美味しいハチミツを購入するという、消費者による経済的な後押しを通して実現していくグローバル環境パートナーシップです。

(公式HPより)

―改めて今日はよろしくお願いします。

今日のインタビューのイメージについて共有しておきたいことがあって。

5年間活動してきて思っていることとして、主役は私じゃない。

生産地の人々の凄さを私が見ているような状態なので、今日も私を撮るという視点ではなく、現地の人たちが主役という視点で捉えていただけると。

―わかりました。最初に、簡単な自己紹介をお願いします。

はい。私は父親がネパール人で、母親が日本人です。

大学までは途上国や先進国の話を身近なものとして聞いていたわけではないです。

ネパールに行った際も、そんな視点で(ネパールを)全然見ていない。

遅れた国だ、なんていっさい感じていなかったし、むしろヒンディー語が聞き取れて標準語のネパール語も自分の民族のことばも英語も余裕で話せるマルチリンガルで天才的だと思っていました

多文化を受け入れて、すごく躍動感のある国で驚いていました。

一方で日本の大学に入ると、途端に、ネパールは最貧困国だとか言われていて。

世界中の人みんな何千年も前から生きていて、そこには食べ物があり、人間関係があり、文化もあるし、必要なものがあって生きてきている。

ないばかりに注目するのじゃなくて、あることに注目して国際交流すればいいと思いました。

学部まで国際経済を勉強していましたが、ネパールに山程ある良いところを、知ってもらいたい、表現するべきだと思うようになって。

そしてネパールではちみつに出会ったんです。

もともと環境問題に関心があったので、「はちみつを通じて地球が守れるんじゃないか」ということを思いつき、活動を始めました。

―ご自身の出身のネパールと、もともとご関心があった環境問題が結び付いて、いまの活動があると。そもそも環境問題に関心を持ったきっかけは?

子供の頃に、ネパールで生まれて日本に来るときや、その後中国やオーストラリアに住んだこともあるんですけど、その移動で飛行機や飛行機に乗る機会が多かったんですね。

そこで揺れる海だとか飛行機の窓から見える地球だとか、大きな地球を目の当たりにしたことが一つ。

それにちょうど当時、世界的に環境問題が注目されていたんです。

特にオーストラリアはオゾン層の破壊の影響が大きくて、紫外線がひどかったから対策も必要で。

そういうことを通じて、自分の人生が環境問題に深く関わっているなと感じるようになりました。

偶然出会ったはちみつの美味しさ

―なるほど。では米川さんの環境問題への答えが、はちみつであったのにはどういうストーリーが?

偶然なんです。

ネパールの家にはちみつがあって。

日本ではあまり美味しいと思わなかったはちみつが、ネパールのものは本当に美味しかった。

はちみつの概念が変わるほどだったんです。それを食べた時、花畑のイメージが頭の中に広がって…。

はちみつは花とミツバチと人が、つまり自然と動物と人がコラボレーションしてできるものなのだと認識した。

そして、「これだ」と。そこからはちみつと自然保護がつながるんじゃないかと気づきました。

―ネパールでは養蜂が盛んなんですか?

盛んと言っていいかわかりませんが、生息するミツバチの種類が多い国なんです。

世界に9種類いると言われていて、そのうち5種類がネパールにいます。

なのではちみつは生活の身近なところにあって。西洋ミツバチの養蜂が導入されたのは1990年代くらいからで、そのあたりからはちみつ専門店ができたりしたんです。

―現地ではちみつは親しまれているんですね。はちみつのおいしさの発見を通じて、環境問題へのアプローチに気づいたのは、面白い。それからされてきた活動について、教えてください。

あったのは「はちみつを食べることで環境保全につながる」というシンプルなアイデア。

樹を植えようというモチベーションだけ。

まず、美味しいはちみつを売っていた専門店へ行き、ヒアリングをして、そこで「生産地に連れて行ってもらえないか」とお願いをして。連れて行ってもらえたので、そこで生産地の人々と仲良くなって。

その中で、養蜂家の方々に「植樹をしているんですか」って質問をすると、植えようとはしていたということがわかった。

チウリという、花が咲く樹で。

減ってきているという認識は彼らも持っていました。そこで、一回彼らは自分たちで植えようとはしていたけれど、くじけてしまっていた。

諦めていたところに、私が来たんです。

「植えないんですか」と、年に2回ほど通いながら、聞くようになりました。2010年くらいから、3年間続けたんですね。そうすると、だんだん植樹をやろうかという話になってきた。

そして2014年に、急に「植えるから」って連絡が来て(笑)、苗を育てはじめたんです。

それが今まで続いている。

”私はただ彼らの「樹を植えよう」というモチベーションを創発させただけ”

―3年の間米川さんが足を運んで樹を植えようとはたらきかけ続けたことで、それが現地の人々に届いて、ようやく実ったんですね。

はい。素朴なことなんですけど。現地の人は覚えてくれていて、「遠いところからまた来たの」って感じで(笑)。

―植えられた樹はすくすく育ったんですか?

それが1年目はヤギが苗を食べてしまったということです(!)。

2年目は地震があって、それでも、植えようとなって。今度は、ヤギが食べにくいところへ植えました。また管理人を置こうとなり、2016年から管理人も動いています。

それも、現地の人が積極的に動いて、変化しているんです。

今年2017年は村の40世帯ほどが自分の畑の際に5本ほど植えるという連絡をもらっています。

―そのあいだ、米川さんはどういった関わり方を?

私はひたすら、「えー!植えたんですか、すごいです!」という感嘆の気持ちを伝えています。

やったことに対して、外部の人が異常に喜んでいたらびっくりするけど嬉しくなりますよね。

それで「来年もやりますよね!」って伝えると来年もやろうって思ってもらえる。

「どう植えたんですか!?」とか驚きながらたくさん質問をしたりして。そういうことしかしていないです。

―でも、その応援があったからこそ今まで植林活動は続いているわけですよね。現在は何本くらい植えられてるんですか?

2014年と2015年にそれぞれ4000本(!)、2016年は管理に集中するということで200本くらい。

合計8200本植えたことになりますね。

わたしがいっぱい植えてほしい、と具体的に言ったわけでもなく、彼らがやったことです。すごい数字だと思います。

―いや、すごいです。その植樹の費用をはちみつの売り上げから出していると。

いえ、ほぼ出していないんです。彼らが自力でやっています。

交流の気持ちとして、少し出している程度です。苗用のポットが買えるくらい。

実は、私が支援をする必要は必ずしもないんです。

彼らは自分からネパール国内のNGO助成金を取りに行く努力をしたり、追加の苗を購入して植えたりもしています。

私はただ彼らの「樹を植えよう」というモチベーションを創発させただけなんです。

―そのはたらきで、今ここまで動いているというのがすごい。

はい。はちみつって、彼らの生活に直結している分、それだけ簡単にスイッチが入る。とてもシンプル。

植樹は私もしてほしいけど、彼らにとってはより実践的に必要で。

―なるほど。最初に思っていたよりも、生産者の方々がすごく、パワフルに動いているという印象を受けました。それまで植樹はしたかったけどできなかったという過去から、どうしてそれだけ大きく変わったんだと思いますか?

やっぱり、私の推測では、しつこく来る外部者が、3年も言い続けているわけなので(笑)。

「じゃあやろっか」という気持ちにもう一度なったということかなと。

向こうも「安寿さんが来てくれたから頑張れたんだよ」みたいなことも言ってくれます。「ほんとですか!」って(笑)。

―信頼関係ができあがっていますね。そういう活動をする中で、困ったこととか、大変だったことは?

 

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