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復興は「人づくり」【認定NPO法人底上げ・矢部さんに聞いてみた】

taliki編集部 2017年7月8日
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認定NPO法人底上げ

「できる感覚を、動く楽しみを、生きる喜びを、すべての若者に。」

認定NPO法人底上げは、東日本大震災直後に宮城県気仙沼市で立ち上がりました。
東北の高校生が”自分のやりたいこと”と“地元のためにできること”を考え、行動をおこすサポートをしています。
そこから高校生が主体性や自ら学ぶ力、課題解決力を身に着け、同時に地域に根差した活動を通し郷土愛を育むことで、新しい社会やワクワクする地元をつくることができる人材を育成しています。

http://sokoage.org/

代表:矢部 寛明さん

(出典:公式HP

高校時代にビリヤードに夢中になり、大学進学に魅力を感じず、高校卒業後フリーターに。オーストラリアにてワーキングホリデーを過ごし、ビリヤードのプロも考え、どう生きたいのかと自問自答し続けた結果、23歳で大学に進学。大学卒業のタイミングで東日本大震災発生。大学二年生時に東京から北海道までママチャリで旅をした際、無料で泊めてくれた気仙沼の人々に恩返しをしたいと考え、内定先のオーストラリアにある会社を辞退しそのまま気仙沼で活動を開始。現在に至る。何かを作り出すことが大好き。教員免許所持。

東北という地×若者

―いま震災後6年ですが、現地は実際どんな様子なんでしょう?

現状の人の動きとしては、震災があって避難所に避難して、避難生活送ってた方々が、仮設住宅に行って仮設住宅で住んで、災害復興住宅のマンションが気仙沼に建ったので移動するタイミングですね。

街の様子は、がれきがなくなり、新しい工場ができてきて、新しい家ができていますね。

―この6年間で、「底上げ」として最初と比べてどのような変化を感じますか?

今までの地方高校でいうと、キャリアパスっていうのは、国公立大学の試験に注力して、高校が囲い込んで勉強を教えるというもの。地元に対する愛着や当事者意識がないと、地元で生きるためのスキル、理解がない

気仙沼という地域には、高校はあるけど、大学とかはないので、だいたい高校卒業生の8割ぐらいは気仙沼を出る。けれども、こういう状況下では当然帰ってこない。

結局、課題解決、課題発見、解決能力などが発達せずに社会人になって、都会の企業で働いていく。

地元で働きたくないってのがほとんどだし、地元に帰りたいと思っていても実力がない。だから地域がどんどん衰退していく。

そこに僕たちは問題があるなと思っていたんです。

高校時代のタイミングで地域課題の発見や解決の学習に参加して、社会形成思考とか起業も視野にいれるなど、地域に対する郷土愛、当時者意識をどんどんどんどん高めていって、地元で生きていくためのスキル、理解、知識など必要だなと思ったものを大学に学びにいく必要がある。

そうすると実力もいるし、勉強もするし、人脈もつく。結果として、社会に出ても、地元に帰りたいなと思うかもしれないし、帰ってからも自分が実力を持って帰ってこれるので、地域が再生するのではないかと。

気仙沼、折岩

そして6年間経った今をどう捉えるかという話になると、地域としては、「なんとかしなきゃ」と思ってくるようになったと思います。

例えば、僕らが高校生向けのプログラムを始めたとき、人材育成とかって言葉は気仙沼にはほとんどなかった。

でも去年から始まったのが、「気仙沼まち大学構想」というもの。

気仙沼市が「復興は人づくりだ」って言って、人を育てて、アントレプレナー(起業家やその精神がある人)を輩出していくことで、地域を活性化させようとしているんです。

また、その「地域活性に必要な人」という話でいうと、僕らはずっと高校生に向けてプログラムを組んできているので、当時高校生だった子が大学生になってたりするんです。

気仙沼出身の大学3年生とかは、「気仙沼に帰って事業をしてみたい」と言ってくれて、そういう子たちがポツポツでてきてるんだよね。蒔いた種の芽が出てるなって。

当時高校生だった子で今大学4年生で、地域起こし協力隊という仕組みを使って、気仙沼に帰ってきた子もいる。『そこあげ〜』ってなるよね。

効果測定とか全然できないから、費用対効果とか色々言われるんですけど、こういうことは本当に希望だなと思っている。

0から1にする環境を作る

結局、僕らがやりたいことってのは、とても時間がかかることなんです。

文化を作っていく、何か0から1にしていく環境を気仙沼に作りたいと思っていて。

例えば何か0から1にした経験をした人が大きくなっていって、その人が0から1にする人を手助けしたり、サポートしたりという生態系を作っていきたいなと。

ただし、我々が全部やるというよりも、誰かが手を上げてくれて、その環境を作るようなことを徐々にやってきているんだけど、ある程度環境整備ができたら、気仙沼だけじゃなくていいよねって議論は組織内でありますね。

―高校生の「自分たちがいつか東北を盛り上げていく人材になるんだ」みたいな思いは、矢部さんとお話ししていく中で芽生えてるのか、それとも、もともとあるんですか?

南三陸の高校のデータなんだけど、我々が全校生徒にアンケートを取ったら、

復興に関わりたい生徒が69%いたんです。で

南三陸の復興に自分が何かやったことでいい影響を与えると思った生徒は「いいえ」が66%。

34%しか「はい」がいない

僕らの肌感覚でいうと、まず彼らは自己肯定感がめちゃくちゃ低い

『僕なんかやっても何も変わらないよ、でも復興に何かできることはないかな』と思ってる。だから僕らがやることは必然的に、『自分が復興のために何かするといい影響を与える』と思える人の割合を上げていくために、彼らが実力をつけるお手伝いをすることなんです。

2016年3月の気仙沼

→「人生における納得感」とは?

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taliki編集部

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