もし目の前に100人の困っている人がいたら?

どうしようもなく悪化して、ようやく病院に行こうと思っても、貧しさのために牛や土地や家を売って治療費に充てなければならない人たちが数多くいます。病院に行くまでの交通費もバカになりません。

そういう家庭の人たちは、無事に病気が治ったとして、その後どうやって暮らしていくのでしょうか。

その一方で、ごく一部の富裕層は、高級ホテルのような立派な病院に入院して、日本に引けを取らない設備で治療を受けることができます。

カンボジアでは、どんなに酷い怪我をしても、重篤な病気を抱えていても、「お金が払えるか?」が問題になります。お金がなければ、医療を受けるのはとても難しいことなのです。

そして、カンボジアでは、医療費がとても高いです。私が以前、カンボジア渡航中に下痢をして医者のお世話になったときには、診察を受け、整腸剤や鎮痛剤などを処方してもらうだけで3万円近くかかりました。

けして豪華な病院に行ったわけではありません。知人の日本人看護師を頼って、地元の人が行くような、民家の一部を改装しただけの小規模な病院に行ったのにもかかわらず、です。

誰も、生まれ育つ環境を自分で選ぶことはできません。

でも、自分ではどうしようもない環境のせいで、きちんと食事を食べられるかどうか、病気を治せるかどうか、学校に通えるかどうか、将来どんな仕事をして生きていくのか、そういう、いろいろなことの選択肢が限られてしまう状況がカンボジアには数多あります

世界の希望である子供たちの『当たり前』を保証する

そんな理不尽な世界を変えたいと思いました。

どんな環境に生まれ育った子どもでも、笑って日々を過ごせる世界を見てみたいと思っています。だから、私は『明日の食事に困らない暮らし』を保障して、子どもたちが年相応に遊び、学べる環境を創りたいです。

子どもは次世代を担っていく存在。世界の希望だと信じています。

すべては、子どもたちの笑顔のために。

こうしてfor Smilesは生まれました。

今は、児童福祉をテーマに学びを深めている途中です。現地の人が何を求めているのか、どんな課題があるのか、そこをしっかり把握しなければ、支援はただの自己満足にしかならないと考えています。必要とされる支援を過不足なく届けるためには、相応の準備が必要です。

自転車に乗るとき、こぎ始めはペダルが重くても、スピードが出てくるにつれて楽になるように、for Smilesは今、私たちなりの支援の在り方を模索中です。

その重さも含めて、楽しみながら子どもたちの笑顔を作る方法を考えています。

私たちの活動はカンボジアだけに限りません。途上国じゃなくても、日本や欧米にも、日々を笑って過ごすことができない子どもがたくさんいます。そんな子どもたちにも、笑顔を届けたい。

世界を変えたい、なんて壮大なことを書きましたが、端的に言えば、子どもが笑っているとこちらも幸せな気分になれる、だから子どもには笑っていてほしい、それだけです。

泣いている子どもがいたら、とりあえず「いないいないばぁ」でもして、あやしたくなる、その延長のような活動です。そう考えたら、子どもの笑顔を作るって、ハードル低く感じませんか?

ほんの一時でも、子どもが笑ってくれたらいいな。そんなふうに、身近な問題として考えてもらえれば幸いです。

語り手:諸岡みお

京都大学医学部人間健康科学科。カンボジアは魂の故郷、日本にいるときはただの猫好き。大学生が楽しすぎて社会人になるタイミングを逃し続けている。学生団体for Smilesの設立とともに保育士資格を取得、児童福祉施設にて子どもを笑わせるべく奮闘中。

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