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【寄稿】すべての人が個性を発揮できる社会をつくりたい

taliki編集部 2019年5月12日
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語り手:中尾陽菜さん(智辯学園和歌山高校3年)

チーズハットグとパンケーキが大好きな女子高生。学生ボランティア団体をたちあげ、その代表として「ほっと!スペースプロジェクト」を和歌山県御坊市で行っている。

受賞歴:

WAKA×YAMA SUMMER IDEATHON 準優勝

My Project Award 2018 全国優秀賞

 

発達障害とは、支援が必要な個性のこと

発達障害は、生まれつきの脳機能の障害でありその人のせいでも、親のせいでもない。誰にだって苦手なことや欠点はある。苦手、欠点、全て含めてその人の〝個性〟だ。じゃあなぜ、障害があることで生きづらさを感じている人がいるんだろう。そんな世の中を、変えたい。

そのために生まれたのが「ほっと!スペースプロジェクト」である。

 

「ほっと!スペースプロジェクト」って?

 

ほっと!スペースプロジェクトは、発達障害があるお子さんとそのご家族に“ほっと”できる空間を提供するという活動のこと。

この活動の目的は、

1.親同士の交流の場

2.子どもを連れて気軽にお出かけができる場

3.専門家に相談できる場

の3つを提供することだ。

親御さんたちが交流したり専門家の方に相談をしたりする間、子どもたちは学生ボランティアと遊ぶ。この学生ボランティアには和歌山県立医科大学保健看護学部の先生にご協力いただき、発達障害のある子どもたちとの接し方を学びたい医学部生や看護学部生を募っている。また、ボランティアに興味のある御坊市の高校生も参加している。

子どもたちにとっては、自分のありのまま全てを認めてくれる環境でのびのびと遊ぶことができる。

親御さんにとっては、親同士の情報交換の場となり、子育ての不安感を和らげることができる。

学生ボランティアにとっては、発達障害について理解するきっかけとなり、社会勉強につながる。この3者共にメリットが生まれる活動により、参加された方々には素晴らしいプロジェクトだと定評を頂いている。

ではなぜ、ただの女子高生だった私が、学生団体を立ち上げてボランティア活動を始めたのか。

 

きっかけ

 

私の親戚には、発達障害がある3歳の女の子がいる。その子は私に懐いてくれていて、私はその子が可愛くて仕方ない。

でも、発達障害があることで、周りに馴染めていないことがある。その子だけでなくその子の両親も、周りに同じような境遇の子が少ないことから、親同士情報交換をしたりする機会に恵まれずにいた。

そんな状況を身近で見てきた私は、大好きなこの子の為に何か力になりたいと強く思った。私の中で発達障害が “他人ごと” から “自分ごと” に変化した瞬間だった。

そうして発達障害について調べ、たくさんの場所にヒアリングに行く中で、通常学級に通う小学生の15人に1人が発達障害の疑いがあると言われているということを知った。15人に1人ということは、1クラスに2~3人は発達障害の疑いがあるということだ。

この数字を皆さんはどう思うだろうか?私は意外と多いと感じた。

発達障害は自分たちにとってこんなに身近な存在なのに、どうして周りの人に理解されずに苦しんでいる人がこんなにもいるんだろう。だったら、その苦しみを取り除いて楽しく過ごせる場所をつくろう。私はそう決意した。

その後活動を始めるが、やはりそううまくはいかない。

 

苦労したこと

 

プレイベントを行ってみた。たくさんの場所に声をかけた。

何人来てくれるんだろう。10組かな。20組かな。そんな期待に胸を膨らませていた。

現実は違った。結果は2組。そりゃ、急に高校生がイベント開いても信頼がなければ参加してもらえない。

落ち込んでいた私に、お世話になっている先生は「こういう活動は素晴らしいけど、認められるには地道にやっていくしかない。頑張ろう。」と励ましてくださった。

その日から、もっとたくさんの方に来ていただけるようにと試行錯誤の日々が始まった。チラシをつくり、いろんな方に協力してもらってたくさんの場所に配った。

落ち込んでいても仕方ない。来てくださった方に楽しんでもらおうと全力を尽くした。

そのうちに口コミでどんどん広まり、会場がいっぱいになるくらいたくさんの方に来ていただけるまでに成長した。コツコツ努力することの大切さを学んだ。

 

活動の成果

 

これまで60人を超える方々が参加してくれた。子供たちは楽しそうにいきいきと遊び、親御さんも普段あまりない情報交換の機会に喜んでいた。運営メンバーも、回を重ねるごとに増えている。

なにより嬉しかったのは、御坊市で「発達障害児の親の会」が設立に向けて動き出したことだ。和歌山県では、和歌山市などほかの地域には大人の運営する親の会があるにもかかわらず、御坊市には親の会が存在しなかった。

そのため、発達障害のある子どもがいる親は孤立する傾向にあった。親の会ができることにより、保護者同士の情報交換が定期的にできると期待されている。

私たち若者の熱意で、大人の心を動かすことができたのだ。

 

私の成長

 

私は、自分が世の中を変えることなんて無理だと思っていた。“私なんか”そうやってどこかで自分を否定していた。夢中になれることがなくて、一つのことに全力で取り組んでいる子たちが羨ましかった。

でも、何気ないきっかけで、人は変わることができる。

自分の思いを口にしてみれば、認めてくれる人はたくさんいた。うまくいくことばかりじゃなかったけど、多くの人に支えてもらったからこそ今の私がいる。

“私でも、人の役に立てるんだ。”

活動を始めて、そう気づくことができた。自分に自信を持てるようになった。支えてくれたすべての人に感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

最後に

 

今、私には大きな夢がある。それは、

障害の有無に関わらず、すべての人が個性を発揮できる社会をつくること

私は今まで “自分ごと”を、まわりの仲間の協力を得て“みんなごと”にし、それを社会に発信し多くの人の支持や協力を得て“世の中ごと”にしてきた。そんな私だからこそ、将来きっと何か社会の役に立てると信じてる。難しいのは分かっているけれど、理想の社会を目指して、これからも私にできることを模索していきたい。

今まで支えてくれた全ての方々へ感謝の気持ちを忘れずにこれからも頑張ります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

WRITER

taliki編集部

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社会課題を身近に、楽しく、カジュアルに伝えていくことをモットーにしつつ、真剣に、追い込まれながら記事をアップしています。記事に関する感想、疑問、その他コメントは下のお問い合わせからお送りいただけます。

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