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「ちゃんと」って何だろう?医師を目指す、女子大生の物語

taliki編集部 2018年7月1日
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皆さんは「発達障害の二次障害」という言葉をご存知ですか?

発達障害は見た目では分かりづらく、適切なサポートを受けられないことから、孤立や自尊心の低下を招き、適応障害や不安障害、うつ病などの二次障害を生じることがあります。

自身の原体験を元に医師を志しながら、二次障害という問題に取り組む1人の女子大生を取材しました。

ー簡単に自己紹介をお願いいたします。

和歌山県立医科大学、医学部医学科の村田七海と申します。

私は地域医療枠に入っており、6年間和歌山県から補助金をいただいて生活費と学費を賄っています。その代わり、卒業後は9年間和歌山の病院で働くことが条件になっています。

お琴が大好きなんだとか!

―なぜ地域医療枠に?

もともと医者になりたかったんですよね。でも、お金がなくて。地域医療枠の推薦だと授業料を払えるし生活費も払える。

生まれも育ちもずっと和歌山だから、9年間和歌山で医療に従事することが決まっていても苦にならなかったんです。和歌山の人も好きだし、自然も好きだし。「あ、鹿いた」みたいな日常が楽しいんです。笑

 

―今はどういうことを?

和歌山で社会課題を解決する団体「WAKA×YAMAを立ち上げ、代表を務めています。

名前にはもちろん「和歌山」と、「若者のアイディアで病をなくす」という意味が込められています。

 

―どんなプロジェクトをされているんですか?

今は、発達障がい者の生きづらさをなくすことを目標とした企画の真っ最中です。

発達障がい者の方の生きづらさをなくす上で、まず「発達障害の二次障害をなくす」という点にアプローチしたいと考えています。

そのために、7月にまずは中高生対象の「発達障害の二次障害をなくす」アイディアソンを開く予定です。中高生でチームをいくつか作り、1ヶ月間発達障害やアイディア思考の講義を受けたり、施設訪問をしたりしてもらいます。その後、成果報告会を行うという形です。

 

※発達障害は見た目では分かりづらく、適切なサポートを受けられないことから、孤立や自尊心の低下を招き、適応障害や不安障害、うつ病などの二次障害を生じることがある

参考:

http://www.nise.go.jp/cms/7,7056,32,142.html

(発達障害と情緒障害の関連と教育的支援に関する研究-二次障害の予防的対応を考えるために- /独立行政法人国立特別支援教育総合研究所)

 

ーなぜ、中高生対象のアイディアソンにしようと考えられたんですか?

中高生っていうのは、発達障害に対してまだステレオタイプが形成されてないんですよね。頭が柔らかいうちに、実際に足を動かしてもらうことで発達障害に対して正しい知識がつくと考えています。

それに、これからの日本の未来をつくるのは彼らです

 

また、アイディアソンの最終発表はシンポジウム形式にする予定なんです。審査員と、会場の一般の方々によって審査していただきます。

中高生なので親とか友達を巻き込んで来ていただくことで、関心のなかった人に対してもアプローチできます。そうするとトップダウンよりも分かりやすく、響きやすいと考えています。

―なぜ「発達障害」にアプローチしようと思ったんですか?

小さい頃、目が悪くて大阪母子医療センターに通っていたんです。

その時、周りの人から「ちゃんと」という言葉をよく言われていて。「ちゃんと見えてる?」とか「ちゃんとわかってる?」とか。

そこで漠然と「ちゃんとってなんだろう」と思うようになったんですよね。

 

大阪母子医療センターには全国から奇形児や発達障害の人が集まりますが、私にとっては、夢を得た場所なんです。

その場所に来ていた周りの子達と接する中で、体に対する好奇心が湧いたり、彼らが学校に行ってないこと衝撃を受けたりしたんですよね。

そこで、「私は学校に行ってるから『ちゃんと』を学べば、皆一緒に学校に行けるようになるな」と思ったんです。

それで、私は医者を目指すことにしました。

 

でも、成長していく中で、いわゆる社会の二次障害というのも目の当たりにするようになって。大阪母子医療センターのあの空間って、世間から見たら特別だったんだ、と気付いたんです。

私は大阪母子医療センターで医者になるという夢を得たけど、周りにいた子達は今何してるんだろう、とその時考え、きっと施設にいるのではないか、二次障害に苦しんでいるのではないか、と。

でも、二次障害に関してなら医者になる前にアプローチできるな、とふと思って。

 

さらに社会的に見ても発達障害と認定される人は実際増えてきたんですよね。特技で大学に行けるようになってきたし、障がい者雇用枠も2.2%に広がりました。

今このテーマに取り組む意義があると感じ、やろうと決めました。

 

ーちなみに、なぜ和歌山で?

自分が所属していたほかの学生団体でも中高生にアプローチする活動をやっていたのですが、やはり合理性を追求した時、大阪、京都などの大都市や私立の高校などが優先されていて、機会の格差を強く感じました。

私自身は地方である和歌山で生まれ育ったし、お金に恵まれていたわけじゃないけど、ここまで来られたのは人との出会いに恵まれてきたからだと思っているんです。

だから私も、今度は和歌山の子たちにそんな機会を与えたい、と考えました。

そうやって頑張っていたら和歌山市と、和歌山県教育委員会から後援を貰えることになりました。

 

―すごい!おめでとうございます。

大変だったけど、それも人に恵まれてたんですよね。

 

―最後にお知らせがありますよね?

そうですね。()このプロジェクトを実行するために、クラウドファンディングをやっています。

私はこれ自体が社会実験だと思ってて。

地方で人もお金もない状況に対して、どれだけの人が協力してくれるんだろう、とか、どれだけの大人の方が若者の想いに賭けてくれるんだろう、というのを見てみたいなと

日本の端っこで小さい何かが起ころうとしていることに対して、全国の人はどう考えるのだろう。そういうことに興味があって挑戦してみることにしました。7月の13日までやっているので、よかったらぜひご協力お願いいたします。

 

―読者の方に伝えたいことはありますか?

私、障がい者のデイサービス施設でバイトしてるんですが、すごく楽しいんです!私が行ったら喜んでくれる方もいて。

そんな大好きな彼らが作業所を出て、雇用されて、二次障害に苦しんでほしくないと改めて強く思うんです。環境を整えたい。

私たちと一緒に、誰もが生きやすい社会にしませんか?

 

<クラウドファンディングのお申し込みはこちら>

https://fanfare.medica.co.jp/funding/projects/wakayama/

(※達成おめでとうございます!!)

<シンポジウムのお申し込みはこちら>

https://goo.gl/forms/0LlQMxQZnScZZDAy2

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社会課題を身近に、楽しく、カジュアルに伝えていくことをモットーにしつつ、真剣に、追い込まれながら記事をアップしています。記事に関する感想、疑問、その他コメントは下のお問い合わせからお送りいただけます。

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