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「いくら机上で熱く議論をしたところで事態は変わらない。」

taliki編集部 2017年5月8日
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はじめまして。

京都大学法学部4年の、はりまそやこといいます。

大学ではジャズをやったり、スウェーデンとイギリスに留学したりしていました。

この春の就活を経て、自分は人生をかけて「社会問題に対して当事者として思考・行動しつづけたい」と思い至り、そういったソーシャルアクションのちいさな第一歩としてこの記事を書こうと思います。

 

私がとりわけ関心があるのは、「環境問題に対する人々の意識」です。

photo by 前川知紀

 

いま、環境問題が、行政機関や報道メディアでは重要事項としてクローズアップされる一方で、多くの個人にとっては依然「自分とは関係ないもの」として存在しているように感じています。

また同じように、国際社会の潮流やアカデミックな領域でなんらかの進展(例えば国連のSDGs採択など)があったとしても、それが一個人や一企業のレベルでは実践に結び付かない。

その間に問題はどんどん深刻になっているように見えます。

※SDGs… Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標のこと。詳しくはこちら

 

環境問題の当事者って、ほんとうは地球に生きる「全員」なんじゃないか。

みんなが責任の所在を自分の中に置き、生き方を変えようとしない限り、間に合わない。

全員がプレーヤーとなって問題に立ち向かわない限り、事態の深刻さを取り返せなくなってしまう。

明日提出のレポートが全然終わってないときみたいな、さしせまった危機感があります。

 

環境問題が自分事だとわかった日

環境意識に関心を持ったきっかけは、2つ。

1つ目はアルバイトで、家庭ごみの分類調査を経験したこと。

これは、環境省の令で各地方自治体が主体となって、家庭で出るごみを数十~数百もの種類別に分け、その重さや体積を調べて毎年記録することで、ごみ削減の政策に役立てているもの。私は大阪と京都の調査に参加しました。

おもしろいのが、ごみの用途が「容器・包装」か「容器・包装以外」かで分類するというところです。

※容器・包装ごみの例… おにぎりやパンの袋、ペットボトル、びん、缶、肉や総菜のパック、野菜を包んでいた袋、紙袋、シャンプーのボトル、ティッシュの箱、歯磨きチューブなど「ものを包むために使われたもの」

※容器・包装以外のごみの例… ストロー、ティッシュ、おむつ、靴下、ボールペン、ちらし、書籍、新聞紙、割りばしなど「それ自体に商品価値があるもの」

 

例をみてもわかるとおり、「容器・包装ごみ」とは「商品それ自体ではなく、他の商品を包むためだけに生産・使用・廃棄されたもの」であり、独立した商品と比べていっそう「むだなごみ」「減らすべきごみ」と捉えることができます。

実は家庭ごみの大部分は、この「包装ごみ」なのです。

 

私にとって特に強烈だったのはペットボトルでした。

集められたごみ袋からおびただしい数のペットボトルが出てきて、調査に慣れている人たちは作業ゲーのようにポイポイ分類していきますが、私はそのかさのあまりの多さに、だんだん気持ちが沈んでいきました。

でも、私もよくペットボトルを買います。

実家でもペットボトルのお茶が常備されているし、コンビニのお昼どきは、みんなお弁当とお茶を手にレジに並んでいる。

就活の粗品でさえペットボトル。一日で3本集めてかばんが重くなったこともありました。

 

このときふと思ったのです。

たしかにペットボトルを買うとき、私たちは何も考えないな、と。

お店に行き、ペットボトル飲料を手に取り、それを買うまでのフローの中で、多くの人は「おいしい」「安い」「便利だ」「体に良い」「ラベルがおしゃれだ」などの要素は考慮しても、

「環境にやさしいか」「この消費行為によって地球にどんな負荷が出るか」なんて要素は、なかなか考えない。

言ってみればそこには「自分」と「物」が対峙しているだけ。一人の人間がものを買うまでの思考と、「地球」が結び付いていないんです。

 

ここで私はハッとし、小学生並みの単純さながら

「ペットボトルを買うその瞬間に、その行く末(容器・包装ごみの姿)を思い出そう」

「普段はルイボスティーを淹れて持ち歩こう。ペットボトルを買うのは週に一回まで」

などと勝手に反省会をし、続けて、

 

「人々が考えないから問題が起こるならば、人々が考えるきっかけを作ればいい」

「そうやって社会や環境という基準を人々の頭の中に作ることが、人々の行動を変え、ひいては社会を変えていくためのボトルネックになるんじゃないか?」

こうした仮説が私の中に生まれました。

 

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taliki編集部

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社会課題を身近に、楽しく、カジュアルに伝えていくことをモットーにしつつ、真剣に、追い込まれながら記事をアップしています。記事に関する感想、疑問、その他コメントは下のお問い合わせからお送りいただけます。

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