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頭が良くなる薬!?「スマートドラッグ」に潜む罠

藤沢 ひかり 2017年12月20日
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藤沢ひかり

京都大学総合人間学部。社会問題に対しては比較的無関心。talikiのサービスが人々にとって雲の上の存在にならないように目を光らせている。

ただ今、夜の11時である。

この記事の初稿の締切は1時間後に迫っている。

ああ、眠気を飛ばして集中力が増して思考速度の上がる夢のような薬があれば、、、。

———これは注意力散漫な私のみならず、誰もが感じる願望であろう。

実はそんな望みを叶えるとされる薬が存在する。

魔法の薬とは??

方々で物議を醸しているその薬は、「スマートドラッグ」と呼ばれる。

スマートドラッグとは、脳神経系の薬の中でも学習効率向上に繋がる薬物のことで、そのうち最も注目されているのが「脳を覚醒させ集中力を高める」薬である。

これは国内では過眠症や注意欠陥多動障害(ADHD)の治療のために処方される薬だが、健康な人が服用すると認知機能が高まり、複雑な課題を処理する能力が上がるという結果が出ている。

大半は、植物成分や栄養素でつくられているため、ドラッグストアやネットで安価で手に入る。

 

しかし、健常者がスマートドラッグを日常的に服用することでの副作用や健康被害の可能性も叫ばれている。実際にスマートドラッグに依存した結果、効果が切れた途端ひどい頭痛や眠気に襲われるケースも発生している。

 

競争社会である今、受験や就職などその後の人生を左右する局面で他人が使っていたら、多少抵抗がありながらも使用したいという発想になるだろう。

 

実際アメリカでは一昔前からスマートドラッグが流行している。これが日本に輸入され、受験生や社会人の間で急速に広がっているようだ。現に私の周りでも使用したことがあるという話を、ちらほら耳にする。

 

しかし私は、少なくとも社会に出るまではスマートドラッグを絶対に使用してはいけないと考える。

 

学校に通う時期に「最悪薬に頼ればいい」という考えになってしまうと、自分の性格や体調とうまく付き合う力や努力する姿勢が身につきにくくなってしまうのではないだろうか。

 

そして仮にスマートドラッグを使って成功したとしても、

自分の能力や努力の結果と感じられず、自己肯定感が薄れてしまうのではないだろうか。

 

また、社会全体でスマートドラッグが流行したら、薬同士の競争がはじまり、強い成分の薬により健康被害が起こったり、富裕層のみ高価な薬が手に入るという教育や機会の格差に繋がったりする可能性もあるのではないだろうか。

 

自分の容姿を、美容整形で変えられる世の中になった。そのうえで知能や能力まで薬でコントロールできる時代になったら、アイデンティティの所在はどこにいってしまうのか。

スマートドラッグの流行を食い止めることは難しいかもしれない。

 

悪影響を危惧した厚生労働省が今年11月、個人輸入の規制を決定した。

しかし私たち市民もそのリスクや社会に対する影響をしっかり予期したうえで、共に対策を考えるべきだろう。

 

人工知能やスマートドラッグなどにより、未来の生活、教育、労働はどう変わるのであろうか。

 

WRITER

藤沢 ひかり

藤沢 ひかり

京都大学総合人間学部

社会問題に対しては比較的無関心。talikiのサービスが人々にとって雲の上の存在にならないように目を光らせている。

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